Shopify(ショッピファイ)に、サプライヤーへの発注額や入荷の進み具合を確認できる仕入れ向けのレポートが追加されました。
仕入先ごとの費用や、まだ荷物の追跡に進んでいない発注を見られるため、注文書を開いて確認する前に対象を絞り込めます。
ただし、発注額と支払済みの金額は別で、未入荷の確認には在庫移動へのリンク状況も関わります。自社の発注記録を1件用意し、費用・未入荷・受け入れの数字を順に照らしてみましょう。
Shopifyの仕入れレポートで確認できる3つのこと
2026年10月8日確認の公式情報では、Shopifyは2026年10月6日、Shopify Analyticsで注文書のデータを確認・エクスポートできる3つのレポートを発表しました。確認する対象はサプライヤーへ出した仕入れの注文書で、お客様から受ける販売注文のレポートとは区別します。
出典: Shopify Changelog「Analyze purchase orders in Shopify Analytics」(英語)
3つのレポートは、発注にかかる費用・移動後の入荷・移動前の発注という役割で選ぶと探しやすくなります。日本語ヘルプでのレポート名は「注文書の費用」「注文書の転送」「発注済みの購入」です。ただし、ページによって「注文書費用」と書かれたり、在庫移動が「転送」「在庫転送」と呼ばれたりするため、表示名が異なる場合は英語名も手がかりにしてください。
発注額を見る
注文書の費用(Purchase order costs)
発注した商品・数量・サプライヤー費用・見積税額を確認する。
入荷の経過を見る
注文書の転送(Purchase order transfers)
注文書にリンクした移動の荷物・受領・受け入れ状況を確認する。
移動前の発注を見る
発注済みの購入(Purchases on order)
発注済みで未クローズ、移動にまだリンクしていない注文書を確認する。
ここで見落としやすいのは、「発注済みの購入」だけでは未入荷の全件を追えないこと。移動にリンクした後も荷物が未着なら、その状況は移動側のレポートから確かめます。
Shopifyの仕入れレポートを開く前に発注記録を確認する
Shopifyの仕入れレポートを読む前に、管理画面の「商品>注文書」で、内容が分かっている発注を1件選びます。レポートと元の注文書を突き合わせれば、入力不足と集計条件の違いを分けて調べられるためです。
対象の注文書では、サプライヤー・配送先・商品・数量・費用を確認し、次の項目が記録されているかを見ます。SKUは色やサイズ違いなどの商品を識別するコードで、名称だけでは同じ商品か判断しにくい時に役立ちます。
- サプライヤーと配送先ロケーションが対象の発注と合っている
- 商品バリエーションとSKUで発注した商品を特定できる
- 注文数量・サプライヤー単価・税率の入力内容を確かめた
- 注文書の通貨が円か、別の通貨かを確認した
- リンクされた在庫移動と受領数量を確認できる
ストア分析からレポートを開く順番
発注記録を用意したら、「ストア分析>レポート」を開き、目的に合うレポートを探します。発注額なら「注文書の費用」、入荷の経過なら「注文書の転送」、移動へリンクする前の発注なら「発注済みの購入」を選びましょう。
開いた後は、期間を絞り、同じサプライヤー・通貨の注文書で照合します。全体の数字を見始めるより、内容が分かる1件の数量と費用を確かめてから対象を広げた方が、数値の意味を取り違えにくくなります。
レポート自体が見つからない場合は、自社ストアでの提供状況とレポートの閲覧権限をオーナーと確認します。公式ヘルプは「ストアで注文書分析が利用可能な場合」という条件で案内しており、追加発表だけで全ストアに同時表示されるとは判断できません。
一方、レポートを開けるのに行が出ない場合は、表示条件と元の発注記録から調べます。入力・日付・絞り込みの見直しは後述の順に行い、表示されないだけで在庫数量を変更するのは避けてください。
Shopifyの発注額は通貨と費用の範囲をそろえて読む
Shopifyの発注レポートで費用を読む際は、税抜きのサプライヤー費用と、見積税額を含む注文書費用を分けます。「注文書の費用」には注文数量や平均単価もあるので、合計の増減を数量と単価に分けて見られます。
発注費用の指標に含まれるもの
| 指標 | 含むもの | 見る目的 |
|---|---|---|
| サプライヤー費用 | 数量×税抜単価 | 商品の発注費用 |
| 見積税額 | 発注分の税 | 税額の確認 |
| 注文書費用 | 商品費用+見積税 | 税を含む発注額 |
このサプライヤー平均単価は、注文数量で重みを付けた平均です。
単価が異なる発注を比べる時は、同じSKU・サプライヤー・通貨・期間に条件をそろえ、商品構成が変わっただけなのか、同じ商品の単価が変わったのかを確かめます。
費用の指標は注文書に使った通貨で表示されるため、円と米ドルなどが混在するなら通貨別にグループ化するか、1通貨に絞ります。異なる通貨の数字をそのまま足すと、仕入額として比較できません。
出典: Shopifyヘルプセンター「注文書のカスタムレポートを作成する」
発注額と、実際に払った金額は別に照合する
注文書費用は、発注した数量に対する商品費用と見積税額を確認する指標です。
この合計を、そのまま支払済み額や確定した仕入原価として扱わないようにしましょう。
たとえば送料・関税・その他の手数料は、リンクされた在庫移動の荷物に費用の調整として追加できるため、商品を受け取るまでの費用は別の記録も関わります。請求額を確認するなら、商品代金・税・送料等の費目を分け、注文書と請求書を突き合わせます。
注意税を含む合計でも、支払実績とは限らない
発注費用、荷物に追加した費用、サプライヤーの請求書、実際の支払記録は確認する対象が違います。金額が合わない時は費目をそろえ、二重に加算した項目や未反映の費用がないかを確かめます。
費用の確認と在庫数量の確認を分けることで、支払の相談は経理、未着の相談は仕入・物流担当へ渡しやすくなります。数字だけを共有するより、どの注文書のどの費目かを添える方が、次に調べる場所が明確です。
未入荷は移動にリンクする前と、リンクした後で追い分ける
Shopifyの仕入れで未入荷を確認する時は、注文書と在庫移動がリンクされているかを先に見ます。「発注済みの購入」は発注済みで未クローズ、リンクされた移動がない注文書を対象とし、移動後の荷物は「注文書の転送」で追います。
移動にリンクする前
移動にリンクした後
この区切りは入荷が済んだかどうかとは別です。
移動へリンクしただけで、商品が届いたことにはなりませんので、未移動発注の一覧から消えた注文書も、リンク先の荷物で追跡を続けます。
一部入荷したら、受領と受け入れの数量を見る
入荷の経過では、発送済み・受領済み・受け入れ済み・拒否済みの数量を分けて確かめます。荷物が届いても、破損等で拒否した商品まで販売可能な在庫に含めてよいわけではありません。
商品を受け取る処理は注文書にリンクされた在庫移動で行い、受け入れた数量が配送先で利用可能になります。拒否した数量は販売可能な数量へ加算されないため、未着の数量と、届いたが受け入れなかった数量を分けて仕入先に伝えます。
出典: Shopifyヘルプセンター「注文書の在庫転送を作成する」
その際は「商品>注文書」のリンクされた移動から対象を開き、荷物・SKU・処理数量を確かめます。手元にある数量と販売できる数量の違いは、Shopifyの在庫レポートで見る手元在庫数と販売可能数も確認すると理解しやすくなるでしょう。
注文書を変えた時は、リンク先の移動も確認する
注文書と在庫移動は、リンク後もそれぞれ独立した記録として動きます。一方を変更しても他方は自動更新されないため、追加発注や数量変更の後は、元の注文書と移動の両方を見比べます。
たとえば数量を変更した時は、リンクした移動にも同じ変更が入ったと思い込まないことが大切です。配送先やSKUも含めて照合し、実物と数字が合わない場合は、Shopify POSの棚卸しで数量を数えて確認する流れも参考に、入荷処理と実物の確認を分けて進めます。
Shopifyのレポートで数字が合わない時に見る日付・件数・単価
Shopifyの仕入れレポートで数字が合わない時は、期間の基準日、数えている単位、元データの入力の順に確かめます。画面で発注日が見えていても、期間の抽出に使う日付は別なので、まず対象の1件がなぜ含まれるかを確認しましょう。
費用は明細作成日、移動は荷物作成日が期間の基準
「注文書の費用」と「発注済みの購入」、それにカスタムの注文書レポートは、期間の基準に注文書項目の作成日を使います。一方、「注文書の転送」のデフォルトレポートは荷物の作成日を使うため、同じ期間でも含まれる記録が変わります。
たとえば前月に作った発注明細から今月の荷物を作った場合、今月の移動側に出ても、今月の費用側には出ないことがあります。発注日を基準に見たい時は、カスタムレポートの日付の絞り込みやグループ化を確認し、既定の期間が発注日に変わったと決めつけないでください。
補足日付の列と、集計期間の基準を分けて見る
注文書の作成日・発注日・注文済みとしてマークした日・クローズ日は、別の情報です。期間を変更した後は、対象の注文書が含まれたかを元の記録で確認します。
行数が増えたら、発注件数と明細数を分ける
商品やバリエーションでグループ化すると、1つの注文書が複数行に分かれることがあります。表示行数を、そのまま発注した注文書の件数として数えないようにしましょう。
この時は、一意の注文書を数える指標と、項目を数える指標を使い分けます。発注件数を比べるなら注文書の指標、商品ごとの購入量を比べるなら注文数量というように、確認したい問いから選ぶ方が明確です。
費用がゼロなら、注文書の単価や数量を確かめる
費用がゼロと出る場合は、サプライヤー単価・注文数量・税率の入力を見直します。空欄があれば該当する指標に影響するため、ゼロ表示を「仕入れに費用がかからなかった」と解釈しないこと。
平均単価が空欄の場合も、数量や単価が入った明細があるかを調べ、商品情報が不足している時はSKUを確認します。
すべての原因を一度に探すより、分かっている注文書を1件照合し、条件を戻しながら調べる方が作業を進めやすくなります。
Shopifyの仕入れ分析をサプライヤー別の週次確認へつなげる
Shopifyの仕入れ分析は、発注額・未入荷・入荷処理を同じ商品単位で確認すると、次の担当者へ具体的な相談を渡せます。
まずサプライヤー別に費用と注文数量を見て、増減が気になる商品をSKUごとに掘り下げます。
たとえば注文数量が増えた商品は、販売数も増えているのかを別の販売レポートで確かめます。
色や素材で仕入れを見直したいなら、Shopifyの売上レポートで色・素材別の売れ筋を確認する方法と組み合わせ、発注した量と売れた量を分けて判断しましょう。
未入荷が残る商品では、サプライヤーへの納期確認と、移動側の荷物確認を行います。ここでレポートの数字だけから再発注すると、すでに発送されている商品の二重発注につながるため、対象の注文書とリンク先を確認してから数量を決めます。
費用の内訳を共有する場合は、確認した期間・通貨・絞り込み条件を残してエクスポートし、請求書や受領した数量と突き合わせます。公式ヘルプでも、サプライヤーやSKUごとの費用内訳の書き出しと、数量の照合を案内しています。
出典: Shopifyヘルプセンター「StockyからShopifyの在庫管理への移行」
書き出したデータを社内の表で管理するなら、いつ確認し、誰がどの数量を更新したかも残しましょう。エクセルの在庫管理表で入出庫の履歴を残す方法を併せて使うと、次回の照合で変化を追いやすくなります。
仕入れレポートのよくある質問
QShopifyの仕入れレポートはどこで開きますか?
AShopifyの仕入れレポートは、利用できるストアでは管理画面の「ストア分析>レポート」から探せます。日本語のレポート名は「注文書の費用」などで、表示名が異なる時はPurchase order costsなどの英語名と用途で確認します。
Q3つの仕入れレポートは何が違いますか?
A3つの仕入れレポートは、「注文書の費用」(Purchase order costs)が発注費用、「注文書の転送」(Purchase order transfers)がリンクされた移動の荷物や受領、「発注済みの購入」(Purchases on order)が移動にリンクしていない発注済みの注文書を対象とします。
Q「発注済みの購入」のレポートで未入荷の全件を確認できますか?
A「発注済みの購入」(Purchases on order)は、発注済みで未クローズ、リンクされた移動がない注文書を対象とします。移動にリンクした後の未着や一部入荷は、「注文書の転送」(Purchase order transfers)と対象の荷物から確認します。
Q注文書の費用は、実際に払った仕入額と同じですか?
A注文書の費用は、注文した数量の商品費用と見積税額を含む指標です。実際の支払額を確認する時は、請求書や送料・関税などの費用と支払記録を別に照合します。
QShopifyの仕入れレポートに、今月の発注が出ないのはなぜですか?
AShopifyの仕入れレポートでは、費用と未移動発注は注文書項目の作成日、移動は荷物の作成日がデフォルトの期間基準です。発注日と同じ基準とは限らないため、元の記録の日付と絞り込み条件を確かめます。
Q仕入れ費用がゼロや空欄になった時は何を見ますか?
A仕入れ費用がゼロや空欄になった時は、対象の注文書でサプライヤー単価、注文数量、税率を確かめます。平均単価が空欄なら、数量と単価が入力された明細があるかも確認します。
最初は1件の注文書を費用と入荷の両方から見る
仕入れレポートとは、サプライヤーへの発注内容を費用・数量・物流の記録から確認するための集計です。まず内容が分かっている注文書を1件選び、通貨・費用・日付を確かめてから、リンク前後の未入荷を追いましょう。
要点費用と入荷を、同じ発注記録で突き合わせる
発注額は通貨と費目をそろえ、未入荷は移動へのリンク前後で追い分けます。数字に違いがあれば元の注文書と荷物に戻り、理由を確認してから次の発注を決めます。
その確認を続けても、複数拠点や外部システムとの照合が負担になるなら、Shopifyの標準在庫管理で足りる範囲と外部連携が必要な条件を確かめます。レポートを増やす前に、どの工程の数字が合わないかを特定すると、必要な仕組みを選びやすくなるでしょう。

