通常商品にはいつもの返品期間を使い、季節商品だけ短くしたり、一部の商品には長い期間を用意したりしたい。Shopify(ショッピファイ)では、商品やコレクションごとに返品期間を上書きする設定で、こうした使い分けができます。
ただし、同じ商品が複数の設定に含まれると、思い描いた期間とは違う結果になることもあります。重複した上書きのうち最短の期間が適用される仕組みと、返品不可の設定を先に押さえておくと、変更後の確認まで進めやすくなるでしょう。
Shopifyの返品期間は商品ごとに上書きできる
Shopifyの「返品期間の上書き」は、ストア全体の期間を保ちながら、一部の対象だけ別の日数に変える機能です。2026年9月29日に公式発表され、対象としてコレクション・商品・商品バリエーションが案内されています。
出典: Shopify公式Changelog:返品期間の上書きの提供開始(英語)
まとめて変えるか、一部の種類だけ変えるか
コレクションは商品をまとめたグループ、バリエーションは同じ商品のサイズや色などの種類を指します。同じ条件にする範囲を先に決めれば、グループ全体に設定するか、特定の商品や種類だけを選ぶかを判断しやすくなります。
全体の返品期間
期間の上書き
たとえば、Tシャツ全体を同じ条件にするなら商品単位、特定の色だけ条件を変えるならバリエーション単位が候補になります。
私たちは設定の相談では、期間を何日にするかと、どの商品に適用するかをセットで決める進め方を勧めます。
コレクションを対象にする場合は、複数のグループに入っている商品を見落とさないようにしましょう。売り場の整理も必要なら、Shopifyのコレクションを並び替える方法と合わせて対象商品の一覧を確認すると、設定範囲を把握しやすくなります。
マーケット別の設定は提供条件を分けて見る
Shopifyでは、国や地域などの販売先をまとめた「マーケット」ごとに返品ルールを分ける機能もあります。ただし、2026年10月1日時点の公式ヘルプではマーケット別ルールは早期アクセスで、一部のストアのみ利用可能とされており、全店に同じ設定欄があるとは限りません。
商品別の上書きと、マーケット別の提供条件を分けて見るため、まず自社の「ポリシー」画面に表示されるルールを確認します。
マーケット別ルールがない店では、表示される全体のルールを基準に、上書きの追加項目が使えるかを確認してください。
Shopifyの返品期間を設定する手順
Shopifyの返品期間を商品ごとに変えるには、「設定」→「ポリシー」→「返品とキャンセルのルール」から編集対象を開きます。
全体の期間を確認してから例外を追加すると、標準と上書きの関係を保ったまま変更できます。
開始日と対象商品を先に揃える
返品期間は日数と開始日の組み合わせで決まるため、日数だけを変えて受付期限を判断しないようにしましょう。Shopifyでは、開始日を各アイテムの配達日または注文内の最後のアイテムの配達日から選べます。
たとえば分割配送がある店では、先に届いた商品と最後に届いた商品で、どの日を基準にするかが変わります。この違いを踏まえ、既存ポリシーに書いている開始日と管理画面の選択が一致するかを先に照合しましょう。
準備例外の商品を一覧にする
商品名・バリエーション・所属コレクション・希望する日数・最終セールの有無を並べると、対象が重なった商品を見つけやすくなります。まだ日数の方針が決まっていなければ、先に社内で合意してから入力します。
上書きの追加から保存までの操作
- 「設定」→「ポリシー」を開き、「返品とキャンセルのルール」で編集するルールを選びます。マーケット別ルールがある場合は、どの販売先のルールを編集するかも確認します。
- 「返品期間」で全体の期間と開始日を確認し、変更する対象だけに別の期間を用意する場合は「+返品期間の上書き」を選びます。
- 「日」の欄に上書きする日数を入力します。全体より長い期間も短い期間も設定できますが、日数は自社の受付方針に合わせます。
- 「適用対象」でコレクションまたは商品を選び、追加する対象を開きます。商品を対象にする場合は、必要な商品やバリエーションを選択して「追加」を押します。
- 別の上書きも必要なら「+返品期間の上書きを追加」から追加し、同じ商品が複数の対象に含まれていないかを照合します。重なっている場合は最短の日数が意図した受付期間かを確認します。
- 最終セールの対象も見直してから「保存」を押し、保存後の画面で日数と対象一覧を読み返します。入力した期間と選んだ商品の両方が揃っていることを確認します。
この上書きで変えるのは返品をリクエストできる期間なので、発送前のキャンセル受付や返品送料・手数料まで同じ条件になったと判断せず、それぞれの設定項目を分けて確認しましょう。
出典: Shopifyヘルプセンター:返品とキャンセルのルールを設定する
Shopifyで複数の返品ルールが重なる時の優先順位
Shopifyで複数の返品期間が重なる場合は、最終セールの対象かを先に確認し、返品可能な商品について該当する上書きを照合します。後から作ったルールや、商品単位のルールが優先される仕組みではありません。
最初に返品不可を確認
最終セールなら、期間の上書きに一致しても返品不可の設定が残る。
該当する上書きあり
一致する上書きが複数なら、その中で最短の日数を使う。
上書きに一致しない
該当マーケットの返品期間が設定されていれば、その期間を使う。
マーケット別もなし
例外がない商品には、ストア全体の返品期間を使う。
上の図は、条件に該当しない場合に次の段階へ進む読み方です。特に最終セールの対象に期間を追加しても、返品可能には変わらないため、「長い日数を入れたから大丈夫」と思い込まないようにしましょう。
長い商品ルールと短いコレクションルールが重なる設定例
以下は、全体を30日、商品Aの上書きを45日、コレクションBの上書きを10日とした説明用の設定例です。実在する店の運用実績や推奨日数ではなく、同じ商品がどの対象に含まれるかによって結果が変わることを示しています。
| 該当する設定 | 適用結果 | 判断の理由 |
|---|---|---|
| 上書きなし | 30日 | 全体の期間 |
| 商品Aだけ | 45日 | 上書きを使用 |
| AとBに該当 | 10日 | 最短を使用 |
| Aかつ最終セール | 返品不可 | 対象外が優先 |
商品Aだけに一致する場合は、全体の30日より長い45日を使います。
一方、商品AがコレクションBにも含まれていれば、45日と10日のうち短い10日が適用されるため、全体の30日を含めて最短を選ぶわけではありません。
この重複を解消して45日にしたい場合は、商品Aの期間を延ばし続けても結果は変わりません。短い期間を持つ別の上書きの対象を見直す必要があるので、コレクションの対象範囲と商品側の設定を一緒に確認しましょう。
注意返品不可と期間の上書きを別に点検する
最終セールは返品リクエストの対象外にする設定で、日数の上書きとは役割が違います。返品を受け付ける方針に変える場合は、期間の入力だけで済ませず、最終セールの対象も見直します。
Shopifyの返品期間を変えた後に照合すること
Shopifyの返品期間を保存した後は、注文に使われる条件・購入前の説明・お客様の申請先を照合します。設定画面だけ整っていても、商品説明や返信文が旧条件のままなら、担当者とお客様で受付期間の理解が食い違ってしまいます。
過去の注文で新しい期間を検証しない
Shopifyの返品ルールは注文時に保存され、変更は今後の注文に適用されるため、過去の注文には新しい期間が反映されません。古い注文の受付期間が変わらなくても、それだけで上書き設定の失敗とは判断できません。
そのため、確認時は設定変更日と注文日を先に照合します。注文を使って動作を確認する場合は、変更後に作成した検証用の注文を用意し、標準商品・例外商品・重複商品で期待する結果が違うことを確認しましょう。
出典: Shopifyヘルプセンター:返品ルール(Shopify POS)
商品ページと返品ポリシーの文章を揃える
返品期間を設定しても、生成した返品・返金ポリシーの文章にルールが自動で含まれるわけではありません。管理画面を変えても、購入前の説明は別に見直す必要があるため、商品説明やFAQに旧期間が残っていないかを照合します。
私たちは、返品条件を長い文章の奥へ置くより、期間・開始日・対象外の条件・申請先を商品選びの途中で読める位置にまとめることを勧めます。具体的な掲載内容は、Shopifyの商品説明に載せる内容と合わせて見直すと、配送条件との整合も取りやすくなるでしょう。
照合受付条件と購入前の案内を一致させる
通常商品と例外商品の違いを文章で示し、複数の条件に該当する商品の扱いも明確にします。設定の変更日・対象商品・変更前後の日数を社内メモに残し、問い合わせ担当が同じ条件を説明できるようにします。
この社内メモを更新したら、返品案内の返信テンプレートと確認担当にも反映します。誰が受けても同じ案内を返せるよう、ECサイトの問い合わせ対応を整理する方法に沿って受付と確認の役割を揃えておくとよいでしょう。
お客様が申請できる導線を確認する
Shopifyでお客様が自分のアカウントから返品を申請する運用なら、セルフサービス返品とキャンセルの有効化も必要です。「設定」→「お客様アカウント」で機能をオンにし、リクエストタイプに返品を含む選択肢を指定します。
そのうえで、新しいお客様アカウントにアクセスできる導線を用意します。従来のアカウントを使い続ける店でも新しいアカウントのURLへのリンクを置く方法が案内されているので、全店でアカウントを一斉に切り替える前提で作業を進める必要はありません。
出典: Shopifyヘルプセンター:セルフサービス返品とキャンセルの設定
申請先が整ったら、受付後の返品処理や返金の担当も決めておきます。期間内に申請できる設定と返金を実行する作業は分かれるため、実際の対応はShopifyの返品・交換・返金を進める順番に沿って確認しましょう。
よくある質問
QShopifyの返品期間を商品ごとに設定できますか?
AShopifyでは、コレクション・商品・商品バリエーションを対象に返品期間の上書きを追加できます。全体の期間より長い日数も短い日数も設定できるため、同じ条件にする範囲を先に決めます。
Q商品とコレクションで返品期間が違う場合、どちらが優先されますか?
AShopifyでは、同じ商品が複数の上書きに一致すると、最短の返品期間が適用されます。商品単位の設定や、後から作った設定が常に優先されるわけではありません。
QShopifyで全体の返品期間より長くするやり方はありますか?
AShopifyの返品期間の上書きに、全体より長い日数を入力して対象商品を追加します。ただし、短い別の上書きや最終セールに該当していないかも合わせて確認します。
Q最終セールの商品に返品期間を設定すると返品できますか?
AShopifyでは、最終セールの商品が返品期間の上書きに一致しても、返品不可の設定が残ります。返品を受け付ける方針に変える場合は、最終セールの対象も見直します。
QShopifyの返品期間を変更すると過去の注文にも反映されますか?
AShopifyの返品ルールの変更は今後の注文に適用され、過去の注文には反映されません。設定を検証する際は、変更日と注文日を照合します。
Q返品期間を設定すれば、お客様はアカウントから申請できますか?
AShopifyでお客様がアカウントから返品を申請するには、セルフサービス返品とキャンセルを有効にし、新しいお客様アカウントへの導線を用意する必要があります。返品期間の設定だけでは申請の準備は完了しません。
QShopifyでマーケット別の返品ルールが表示されない場合はどうしますか?
AShopifyのマーケット別の返品・キャンセルルールは、2026年10月1日時点で早期アクセスとして一部のストアに提供されています。表示される全体のルールと上書きの追加項目を確認し、自社で利用できる範囲を判断します。
例外商品の設定から始める
Shopifyの返品期間の上書きとは、特定の商品群や種類に、標準とは異なる受付日数を割り当てる設定です。
変更の範囲を小さくして、期間・対象・購入前の案内を一緒に整えると、運用担当も結果を照合しやすくなります。
まずは例外にしたい商品を一つ選び、所属コレクションと最終セールの有無を確認しましょう。私たちは、例外を増やす前にこの一つの商品の条件を説明できる状態にしてから、同じ手順をほかの商品へ広げることを勧めます。

