ShopifyとSTORESの違いを比較 料金や機能から選び方を解説

ShopifyとSTORESを事業フェーズ別に比較した概念図

「自社でネットショップを始めたいけど、ShopifyとSTORES、結局どっちがいいの?」
「STORESは無料で始められるって聞いたけど、本当にそれで大丈夫?」
「月商が増えてきたら、どっちのほうが損しない?」

まずどちらも初期費用は0円です。

そしてどちらも商品登録数は無制限です。

公式サイトを見比べても、正直なところ「何が違うのか、よく分からない」というのが本音ではないでしょうか。

しかし、実際に運用してみると両者の差はかなり大きいです。
月額料金だけを見て選ぶと、半年後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースが少なくありません。

この記事では、ShopifyとSTORESの違いを料金・機能・運用体制・拡張性・サポートの5つの軸で比較し、「自社にはどちらが合っているのか」を判断できるようにまとめました。

読み終えたあとには、以下のことができるようになります。

  • 月商ごとの実質コストを自分で計算できる
  • 自社の運用体制に合ったプラットフォームを選べる
  • 「選んだあとに後悔する」典型パターンを事前に避けられる

私自身、EC立ち上げや運用改善の支援を複数手がけてきましたが、プラットフォーム選びは「最初の判断」が想像以上に尾を引きます
途中で乗り換えようとすると、データ移行や設定のやり直しで数十時間単位の手間が発生するケースもあります。

だからこそ、最初の段階で「自社に合うほう」を見極めることが大切です。

目次

ShopifyとSTORESの違いを一言で整理すると

まず結論から言うと、ShopifyとSTORESは「想定している事業フェーズ」が違います

ざっくり整理すると、こうなります。

サービスの基本的な位置づけ

観点ShopifySTORES
提供元Shopify Inc.(カナダ、グローバル展開)STORES株式会社(日本)
設計思想拡張性・グローバル対応を前提に設計日本国内の中小事業者向けにシンプルさを追求
プラン構成5段階(Starter / Basic / Grow / Advanced / Plus)2段階(フリー・スタンダード)
月額料金¥750〜¥398,000¥0〜¥3,960
決済手数料2.9%〜3.55%(Shopify Payments利用時)3.6%〜6.5%(プラン・決済手段により変動)
拡張の仕組みアプリストア(約7,000以上)で機能追加標準機能で完結する設計。拡張は限定的
サポートチャット・メール(日本語対応)。電話なしチャット・メール・電話(平日10-18時)

ひと言でまとめると
STORESは「今すぐ、できるだけ手軽に始めたい人」向け。
Shopifyは「これから売上を伸ばしていきたい人」向け。
どちらが良い・悪いではなく、事業のフェーズと目標に合っているかどうかが判断基準になります。

もうひとつ、よく混同される点を整理しておきます。

ShopifyもSTORESも「自社EC」のプラットフォームです。
楽天やAmazonのような「モール型EC」とは根本的に仕組みが違います。

モール型は「モールの集客力」に乗れる反面、手数料が高く、デザインの自由度も限られます。
自社ECは集客を自力でやる必要がある代わりに、ブランドの世界観を自由に作れて、手数料も抑えられます

自社ECとモール型ECの構造的な違いを比較した図
自社EC(Shopify・STORES)とモール型EC(楽天・Amazon)は、集客・手数料・自由度・データの4軸で根本的に異なる。

「サイトを作れば自然にお客さんが来る」わけではない、という前提は頭に入れておいてください。
集客の話は後半で改めて触れます。

ShopifyとSTORESの料金を比較する

「結局いくらかかるのか」は、経営者がいちばん気にするところでしょう。
ただ、月額料金だけを見て比較すると判断を誤ります。

ECサイトの実質コストは「月額料金 + 決済手数料 + 振込手数料」の合計で決まるからです。
この3つをセットで比べないと意味がありません。

EC実質コストの3層積み上げ構造図
ECの実質コストは月額料金だけでなく、決済手数料と振込手数料を含めた合計で判断する必要がある。

月額基本料金とプラン体系の違い

まず、それぞれのプラン体系を整理します。

Shopifyのプラン(2026年5月時点)

プラン月払い年払い(25%割引)おもな対象
Starter¥750テスト・学習段階
Basic¥4,850¥3,650月商10〜50万円程度
Grow¥13,500¥10,100月商50〜300万円程度
Advanced¥58,500¥44,000月商300万円以上
Plus約¥350,000〜398,000(年間契約・ドル建てのため為替変動あり)大規模・エンタープライズ

STORESのプラン(2026年5月時点)

プラン月額料金おもな対象
フリープラン¥0テスト・超小規模
スタンダードプラン(年契約)¥3,300月商10万円以上
スタンダードプラン(月額契約)¥3,960同上

月額だけ見れば、STORESのほうが圧倒的に安く見えます。
フリープランなら0円ですから、「まずSTORESで始めよう」と思うのは当然です。

ただ、この月額料金だけで判断するのは危険です
次の決済手数料まで含めて見ないと、実際の負担額はわかりません。

決済手数料の仕組みと実質コストの差

ECサイトの売上には、決済ごとに手数料がかかります。
これが月商に対して3%〜6%のレンジで発生するため、売上が増えるほどインパクトが大きくなります。

決済手数料の比較表

項目Shopify(Shopify Payments利用時)STORES
Basic / フリー3.55%5.5%(クレジットカード決済の場合。決済手段により最大6.5%)
Grow / スタンダード(年契約)3.4%3.6%(クレジットカード決済の場合。決済手段により最大4.6%)
Advanced3.25%
振込手数料0円(Shopify Payments利用時)自動入金または売上合計10万円以上の手動入金は0円。売上合計10万円未満の手動入金は200円
入金サイクル毎週 or 毎月(選択可)月末締め・翌月末払い

STORESの振込手数料について補足
先行する比較記事では「STORESの振込手数料は¥275/回」と書かれていることがありますが、2026年5月時点の公式情報では自動入金、または手動入金で売上合計10万円以上の場合は0円です。手動入金かつ売上合計10万円未満の場合のみ200円が発生します。月商が安定している事業者であれば、振込手数料はほぼかからないと考えて良いでしょう。

ここで見落としやすいのが、Shopify Paymentsを「使わない」場合の追加コストです。

Shopifyでは、Shopify Payments以外の外部決済サービス(PayPalやKOMOJUなど)を使うと、決済手数料に加えて取引手数料が別途かかります
Basicプランで2%、Growで1%、Advancedで0.6%が上乗せされるため、実質的な手数料が5%を超えてしまうケースもあります。

Shopifyを使うなら、Shopify Paymentsの利用を前提にコスト計算するのが鉄則です。

Shopify決済手数料の2パターン比較図
Shopify Payments以外の決済を使うと取引手数料が上乗せされ、合計5%を超えることもある。

月商別の実質コストシミュレーション

「月額料金 + 決済手数料 + 振込手数料」の合計で、月商別にどちらが安いかを試算してみます。
決済手段はすべてクレジットカードと仮定しています。

以下の試算はあくまで参考値です。実際のコストは決済手段の構成(コンビニ決済・後払い等の割合)や取引件数によって変動します。STORESの振込手数料は、自動入金または売上合計10万円以上の手動入金であれば0円として計算しています。

月商50万円の場合

プラン月額決済手数料振込手数料合計
STORES フリー¥0¥27,500¥0¥27,500
STORES スタンダード(年契約)¥3,300¥18,000¥0¥21,300
Shopify Basic(月払い)¥4,850¥17,750¥0¥22,600

月商50万円の段階では、STORESスタンダードが最安になります。
一方で、STORESフリープランの決済手数料5.5%は重く、月商50万円ですでに「スタンダードに切り替えたほうが安い」水準に達しています。

月商100万円の場合

プラン月額決済手数料振込手数料合計
STORES フリー¥0¥55,000¥0¥55,000
STORES スタンダード(年契約)¥3,300¥36,000¥0¥39,300
Shopify Basic(月払い)¥4,850¥35,500¥0¥40,350

月商100万円でも、STORESスタンダードとShopify Basicの差は約1,000円/月
ほぼ誤差の範囲です。

この帯域になると、料金差よりも「機能の差」や「将来の拡張性」で判断したほうが合理的でしょう。

月商300万円の場合

プラン月額決済手数料振込手数料合計
STORES スタンダード(年契約)¥3,300¥108,000¥0¥111,300
Shopify Grow(年払い)¥10,100¥102,000¥0¥112,100

月商300万円ではほぼ互角。差は月800円ほどです。

ただし、この売上規模になると配送の自動化やマーケティング機能、複数チャネルの統合管理といった「運用効率」の差が大きく効いてきます。
月額の差が800円でも、配送業務の手作業に月30時間かかっているとしたら、その人件費のほうがはるかに大きい。

経験上、月商100万円を超えたあたりから「料金」よりも「機能と運用負荷」で判断したほうが良い結果になる傾向があります。

コスト比較のまとめ
・月商50万円以下 → STORESスタンダードが最安
・月商100万円前後 → 両者ほぼ互角。機能差で選ぶ
・月商300万円以上 → 料金は互角だが、Shopifyの運用効率が効いてくる

月商別のShopifyとSTORES実質コスト推移の概念図
月商50万円以下ではSTORESが有利だが、100万円を超えるとコスト差はほぼなくなり、機能差が判断基準になる。

ShopifyとSTORESの機能を比較する

料金がほぼ互角の帯域では、「何ができるか」の差がプラットフォーム選びの決め手になります。

ここでは、EC運営の実務で差が出やすいポイントに絞って比較していきます。

標準機能で「できること」の違い

両プラットフォームとも、基本的なEC運営に必要な機能(商品登録・在庫管理・注文管理・顧客管理・決済)は標準で備えています。
商品登録数も無制限で、独自ドメインの設定も可能。

違いが出るのは「もう一歩先の機能」を使いたくなったときです。

主要機能の比較表

機能ShopifySTORES
オンラインストア構築
商品登録数無制限無制限
独自ドメイン対応対応
クレジットカード決済
コンビニ決済△(KOMOJU等の外部連携が必要)◎(標準対応)
PayPay / LINE Pay△(外部連携)◎(標準対応)
配送業者との連携(追跡番号自動連携)◎(アプリで自動化可能)△(手動対応が基本)
メール配信◎(Shopify Email + 外部アプリ)△(フリープランは月100件制限)
SEO基本対応(メタタグ・サイトマップ)
Google Merchant Center連携◎(標準対応)△(限定的)
SNS連携(Instagram・Facebook)◎(ショッピング機能と直接連携)△(限定的)
多言語・多通貨対応◎(アプリで対応)✗(非対応)
BtoB機能(取引先別価格・掛売)◎(2026年4月に全プラン開放)✗(非対応)
定期購入(サブスクリプション)◎(アプリ多数)△(限定的)

STORESの強みは、日本でよく使われる決済手段(コンビニ決済・PayPay・LINE Pay等)が追加設定なしで使えること。
Shopifyでこれらの決済を導入するには外部サービスとの連携が必要で、追加手数料が発生する場合もあります。

一方、Shopifyの強みは配送自動化・SNS連携・Google連携・BtoB対応といった「売上を伸ばすための機能」が充実していること。
特に2026年4月にBtoB機能(取引先別価格設定など)がBasicプラン以上の全プランに開放されたのは大きな変化でした。これまでは最上位のPlusプラン限定だった機能が、月額¥4,850のBasicでも使えるようになっています。利用可能な機能の詳細はプランによって異なるため、公式サイトで確認してください。

ShopifyとSTORESの機能強みポジショニングマップ
ShopifyとSTORESは基本機能こそ共通だが、強みの方向性がまったく異なる。

拡張性とカスタマイズの差

ShopifyとSTORESで最も差が大きいのは、「標準機能で足りなくなったときの選択肢の幅」です。

Shopifyには約7,000以上のアプリを揃えたアプリストアがあり、メール配信・レビュー表示・SEO最適化・在庫管理・配送追跡など、ほぼあらゆる業務領域をカバーできます。

さらに、Liquidというテンプレート言語を使えばストアのデザインを自由にカスタマイズできるため、ブランドの世界観にこだわりたい事業者にとっては大きなメリットでしょう。
Shopifyのテーマ(テンプレート)選びのコツについてはこちらの記事で業種別に解説しています。

STORESは「標準機能で完結する」設計思想のため、アプリストアのような拡張の仕組みは限定的です。
裏を返せば、余計な設定に迷わず、シンプルに使い続けられるという利点でもあります。

Shopifyのアプリ追加には月額料金がかかることがある
便利なアプリを入れすぎると、月額基本料の数倍の請求が来るケースもあります。
「メール配信で¥1,000〜5,000/月」「レビュー表示で¥500〜2,000/月」「配送追跡で¥1,000〜5,000/月」といった具合です(2026年5月時点の目安)。
導入前に「本当に必要なアプリ」を絞り込み、合計コストをスプレッドシートで試算することを強くおすすめします。

正直なところ、月商50万円以下の段階で「拡張性」を気にしても仕方ありません。
標準機能だけで十分に回せるからです。

拡張性が効いてくるのは、月商が100万円を超えて「もっと効率化したい」「もっと売上を伸ばしたい」と感じ始めたとき。
その段階になって初めて、Shopifyのアプリ群がSTORESにはない武器になります。

月商成長に伴う拡張性の分岐を示すタイムライン図
月商100万円を超えたあたりで「標準機能だけでは足りない」壁にぶつかり、拡張性の差が効いてくる。

Shopifyと他のECプラットフォーム(BASE含む)の比較は、手数料や使いやすさの面から製造業の視点でまとめた記事でも解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

運用体制で変わるShopifyとSTORESの選び方

料金や機能を比較したうえで、最後に意思決定を左右するのが「誰が運用するのか」という問題です。

同じプラットフォームでも、一人で運用するのか、専任担当がいるのか、外部に委託するのかで最適解は変わってきます。

一人社長・兼務Web担当の場合

本業のかたわらでEC運営もこなす、という状況なら、STORESが第一候補になります。

理由はシンプルです。

  • 管理画面が直感的で、迷いにくい設計
  • 日本語の電話サポートがある(平日10-18時)
  • 設定項目が少ないため、初期構築が短時間で終わる
  • 日本の決済手段(コンビニ決済・PayPay等)が追加設定なしで使える

Shopifyも管理画面は日本語対応していますが、設定項目が多く、初期段階の学習に2〜4週間程度かかることもあるというのが実感です。
本業が忙しいなかで、この学習期間を確保できるかどうかが分かれ目になります。

ただし、ここで一つ注意点があります。

「月商100万円以上を目指す」「複数のSNSでも販売したい」「将来的には海外にも売りたい」
こうした成長計画がすでにあるなら、最初からShopifyを選んだほうが長期的にはコスト効率が良い場合があります。

STORESで半年運用してからShopifyに移行しようとすると、データ移行・設定やり直し・テスト期間で20〜40時間の追加工数が発生する可能性があるからです。

専任EC担当者がいる場合

EC業務に専念できるスタッフがいるなら、Shopifyを強く推奨します

専任担当者がいることで、Shopifyの豊富な機能やアプリを活かした運用改善が回せるようになります。
具体的には、以下のような施策を自社内で実行できるようになるからです。

  • 配送追跡の自動化(手作業を大幅に削減)
  • メールマーケティングの自動配信(購入後のフォローメール、カゴ落ちメール)
  • Google Merchant Center連携による商品フィード最適化
  • InstagramやFacebookのショッピング機能との統合管理

Shopifyでリピーターを増やすメール術については別記事で具体的に解説していますので、専任担当者がいる場合は特に参考になるはずです。

STORESでも基本的なEC運営は問題なくこなせます。ただ、上記のような「攻めの施策」を回そうとすると、標準機能だけでは限界を感じやすいのが正直なところです。

外部パートナー(制作会社)に委託する場合

EC構築や運用を制作会社やコンサルに委託するなら、Shopifyのパートナーエコシステムの充実度が判断材料になります。

Shopifyには認定パートナー制度があり、日本国内にも対応できる制作会社・コンサルが多数存在します。
複数の会社から相見積もりを取りやすく、実装コストや納期を比較しやすいのはメリットでしょう。

STORESのパートナーエコシステムは相対的に規模が小さいため、「この会社にお願いしたい」と思ったときの選択肢がやや限られる傾向にあります。

運用体制別のまとめ
・一人社長/兼務担当 → まずSTORESが手堅い。ただし成長計画次第ではShopifyも検討
・専任EC担当がいる → Shopify推奨。拡張性を活かした施策が回せる
・外部パートナー委託 → Shopify推奨。パートナーの選択肢が多い

運用体制別のプラットフォーム推奨マトリクス
運用体制が「誰がやるか」で、最適なプラットフォームは変わる。

ECサイトのデザインやブランディングについて気になる方は、安っぽく見えないネットショップのデザインの作り方もあわせてご覧ください。

ShopifyとSTORESの選び方で失敗しやすいパターン

プラットフォーム選びで後悔する人には、共通するパターンがあります。
私がこれまで見てきた中で、特に多かった4つの失敗パターンを紹介します。

アプリ課金が膨らんで月額が想定の数倍に(Shopify)

以前、こんな相談がありました。「Shopify Basicは月額¥4,850だから安いと思って始めたのに、気づけば月額¥3万〜5万円になっていた」と。

原因は、便利なアプリを次々に追加していたこと。メール配信アプリに月¥3,000、レビュー表示に月¥1,500、配送追跡に月¥3,000、SEO最適化に月¥2,000。
「あると便利だから」と入れていくと、あっという間に積み上がります。

Shopifyアプリ課金の積み上がりを示す棒グラフ図
「あると便利」で追加したアプリが積み上がり、基本料金の数倍に膨らむのは典型的な失敗パターン。

やりがちなNG行動
・「無料トライアル」のアプリをとりあえず入れまくり、試用期間後に有料化されていることに気づかない
・アプリを10個以上入れたまま、実際に使っているのは3個だけ

予防策はシンプルです。EC開設前に「必須アプリ」「あれば便利なアプリ」「不要なアプリ」を3段階に分類し、合計の月額コストをスプレッドシートで試算する。そして3ヶ月ごとに「本当に使っているか」を棚卸しする。
この習慣だけで、想定外の出費はかなり防げます。

フリープランの制約に気づくのが遅れる(STORES)

STORESのフリープランは0円で始められる反面、使っていくうちに制約が見えてくるのが厄介なところです。

たとえば、メール配信は月100件まで。月商が30万円を超えてリピーター向けの施策を打ちたくなった段階で、この上限が壁になります。
クーポン機能にも制限があり、分析機能も基本的なものに留まる。

実際にクレジットカード決済で計算してみると、月商30万円の時点で、フリープランの手数料(5.5%)とスタンダードプラン(月額¥3,300 + 手数料3.6%)のコストが逆転します

STORESフリーとスタンダードのコスト逆転点グラフ
STORESのフリープランは月商30万円を超えると割高になり、スタンダードへの切替が合理的になる。

フリープランで1年間「様子を見る」という戦略は、月商が伸びない間は問題ありません。
しかし、売上が出始めてから「やっぱりスタンダードにしよう」と切り替えるなら、最初からスタンダードで始めていたほうが結果的に安かった、ということは珍しくないのです。

フリープランの使いどころ
フリープランは「テスト段階」や「需要があるか確認する期間」に限って使うのが合理的です。
本格的に販売を始めるタイミングでスタンダードに切り替える、と最初から決めておくと迷いが減ります。

プラットフォーム移行の手間とコストを甘く見る

「まずSTORESで始めて、売上が伸びたらShopifyに移行すればいい」。
この考え方自体は間違っていません。ただ、移行にかかる手間を甘く見ている人が非常に多いのも事実です。

プラットフォームを移行するとき、実際に発生する作業を列挙してみます。

  • 商品データのエクスポート→インポート(CSV形式の調整が必要)
  • 顧客データ(メールアドレス・購買履歴)の移行と重複チェック
  • 配送設定・決済設定のゼロからのやり直し
  • テーマ(デザイン)の再構築
  • テスト注文で動作確認
  • 既存顧客への案内(URL変更がある場合)

経験上、これらを合わせると20〜40時間の工数、場合によっては数万円〜数十万円の外注費がかかります。
しかもデータ移行時に「メールアドレスの書式ズレ」「顧客名の分割方法の違い」で重複や欠落が起きるリスクもゼロではありません。

ECプラットフォーム移行の6工程と工数の図解
プラットフォーム移行には6つの工程が必要で、合計20〜40時間の工数がかかる可能性がある。

だからこそ、最初のプラットフォーム選びが大切なわけです。
「成長を見据えているなら、最初からShopifyを選ぶほうが結果的にはラク」というのは、実際に移行を経験した事業者からよく聞く話です。

ECサイトを作っただけで集客を何もしない

これはShopifyでもSTORESでも同じなのですが、「サイトを公開すれば自然にお客さんが来る」と思っている方が想像以上に多いのです。

自社ECは、楽天やAmazonのようなモール型と違って、モール自体の集客力に頼れません。
サイトを公開した時点でのアクセスはほぼゼロ。Googleの検索結果に表示されるまでに3〜6ヶ月程度かかるのが一般的な目安です。

開設と同時に、最低限やるべき集客施策はこちらです。

  • 商品ページのSEO対策(メタタグ・商品説明文の最適化)
  • SNS(Instagram・X等)での定期的な商品紹介
  • Google広告やMeta広告の小額テスト(月¥3,000〜5,000程度から)
  • 既存顧客へのメール配信(新商品案内・クーポン配布)

プラットフォーム選びよりも、「開設後に何をするか」のほうが売上への影響は大きい
ここを甘く見ると、どちらのプラットフォームを選んでも結果は変わりません。

EC開設後の施策有無によるアクセス推移の対比図
ECサイトは作っただけではアクセスはゼロ。開設後の地道な施策が売上を作る。

ECサイトの集客に関しては、カートボタンの色ひとつで成約率が変わるといった細かな改善の話もあります。こうした積み重ねが、じわじわと売上に効いてきます。

自社に合うのはどちらか。選定チェックリスト

ここまでの比較を踏まえて、自社の状況に当てはめて判定できるチェックリストを用意しました。

5つの質問で判定する簡易フロー

以下の質問にYes/Noで答えてみてください。

Q1. 現在の月商(または目標月商)は100万円未満ですか?
→ Yesなら Q2へ / Noなら Q4へ

ShopifyとSTORESの選定フローチャート
5つの質問にYes/Noで答えるだけで、自社に合うプラットフォームが見えてくる。

Q2. EC業務は兼務(または一人)で運用する予定ですか?
→ Yesなら STORESスタンダードが第一候補 / Noなら Q3へ

Q3. 将来的に海外販売や複数チャネル(SNSショップ等)を展開する予定はありますか?
→ Yesなら 最初からShopifyを推奨 / Noなら STORESスタンダードで十分

Q4. 月商100万円以上で、配送の自動化やGoogle連携が必要ですか?
→ Yesなら Shopify Grow以上を推奨 / Noなら Q5へ

Q5. 電話でのサポート(すぐに相談できる環境)が必須ですか?
→ Yesなら STORESスタンダードが安心 / Noなら Shopifyでも問題なし

ここで見落としがちなのは、「今の月商」だけでなく「半年〜1年後にどうなりたいか」で判断すべきだという点です。

今は月商30万円でも、1年以内に100万円を目指す計画があるなら、最初からShopifyを選んでおいたほうが移行コストを回避できます。
逆に、「月商50万円前後で安定的に回せればいい」という方針なら、STORESのシンプルさとコストメリットのほうが魅力的でしょう。

EC開設前に整えておくべき10項目

プラットフォームを決めたあと、実際にショップを開設する前に確認しておくべきことをまとめました。
ここを飛ばしてしまうと、開設後に慌てることになります。

EC開設前に準備すべき10項目の4カテゴリ分類図
EC開設前の準備は「法務・運用設計・コンテンツ・技術設定」の4領域に分けて漏れなく進める。
  • 提供する決済手段を決めた(クレジットカード・コンビニ・後払い等)
  • 配送方法と送料を決めた(全国一律 or 地域別 or 送料無料ライン)
  • 特定商取引法に基づく表記を作成した(販売者名・住所・電話番号・返品条件等)
  • 個人情報保護方針(プライバシーポリシー)を用意した
  • 返品・交換ポリシーを決めた
  • 問い合わせ対応の体制を決めた(メール? フォーム? 電話?)
  • 商品画像と商品説明文を準備した(最低でも10商品分)
  • ロゴ・ブランドカラー・フォントを決めた
  • Google Analytics(GA4)とSearch Consoleの連携を設定した
  • テスト注文を実施し、決済・メール通知・配送フローを確認した

特定商取引法に基づく表記は法律上の義務です
ECサイトは「通信販売」に該当するため、特定商取引法に基づく表記の掲載が法的に義務付けられています。
販売事業者名、所在地、電話番号、返品条件などを明記する必要があり、未掲載の場合は行政指導の対象になり得ます。
ShopifyにもSTORESにもテンプレートが用意されていますので、開設前に必ず設定してください。

ShopifyとSTORESの比較でよくある質問

QShopifyとSTORESはどちらが初心者向きですか?

A初期段階の操作のしやすさでは、STORESのほうが直感的です。管理画面がシンプルで、日本語の電話サポートもあるため、Web知識に自信がない方はSTORESから始めるのが安心です。ただし、事業の成長を見据えるなら、Shopifyの学習コスト(目安として2〜4週間程度)を先に投資しておくほうが、長期的には効率が良い傾向があります。

QSTORESのフリープランだけでネットショップ運営は可能ですか?

ASTORESのフリープランでも基本的なネットショップ運営は可能です。ただし、決済手数料が5.5%と高めで、メール配信が月100件まで、クーポン機能に制限があるなどの制約があります。月商が30万円を超える段階では、スタンダードプラン(月額¥3,300)に切り替えたほうがトータルコストが安くなります。テスト販売や需要確認の期間限定で使うのが合理的です。

QShopifyとSTORESの決済手数料はどちらが安いですか?

AShopify Paymentsを利用した場合、Shopifyのクレジットカード決済手数料はBasicプランで3.55%、Growプランで3.4%です。STORESはスタンダードプラン(年契約)で3.6%です。クレジットカード決済のみで比較すると、Shopifyのほうがやや安い計算になります。ただし、コンビニ決済やPayPayなど日本独自の決済手段については、STORESは標準対応・追加手数料なしで使えるため、決済手段の構成次第ではSTORESが有利になるケースもあります。

QShopifyは月額料金のほかにアプリ代がどのくらいかかりますか?

AShopifyのアプリ代は利用するアプリの種類と数によって大きく変動します。小規模ストアであれば、標準機能のみ(アプリ0個)でも運営は可能です。メール配信・レビュー表示・配送追跡などの定番アプリを3〜5個導入した場合、月額¥3,000〜15,000程度が目安です。ただし、便利だからと入れすぎると月額基本料の数倍になることもあるため、導入前に合計コストを必ず試算してください。

QSTORESからShopifyへの乗り換えは簡単にできますか?

ASTORESからShopifyへの移行は不可能ではありませんが、「簡単」とは言えません。商品データはCSVでエクスポート・インポートできますが、顧客データの形式調整、配送設定や決済設定のやり直し、テーマの再構築などが必要になります。ケースにもよりますが、工数として20〜40時間、外注する場合は数万円〜数十万円の費用がかかることもあります。移行コストを考慮すると、成長を見据えている場合は最初からShopifyを選んでおくほうが合理的です。

QShopifyとSTORESのどちらがSEOに強いですか?

A基本的なSEO対応(メタタグ設定・サイトマップ自動生成・独自ドメイン)はShopifyもSTORESも対応しています。ただし、本格的なSEO施策(Google Merchant Center連携、構造化データの詳細設定、商品フィード最適化)を実施する場合は、Shopifyのほうが対応できる範囲が広いです。商品数が多く、検索経由の集客を本格的に狙うならShopifyが有利です。

Q海外にも商品を販売したい場合、ShopifyとSTORESのどちらを選ぶべきですか?

A海外販売(越境EC)を視野に入れるなら、Shopifyを選んでください。Shopifyは多言語・多通貨対応がアプリで実装可能で、国際配送の設定や関税計算にも対応しています。STORESは2026年5月時点では日本国内向けの設計が中心で、多言語・多通貨機能は提供されていません。

ShopifyとSTORESの比較まとめ。迷ったときの判断基準

ShopifyとSTORESの選び方とは、自社の事業フェーズ・運用体制・成長計画に合わせて、料金・機能・拡張性・サポートの4軸で最適なECプラットフォームを見極めるプロセスです。

最後に、それぞれが「最適」になる事業者像を整理しておきます。

STORESが最適な事業者
・月商50万円以下で安定的に運営したい
・EC業務は兼務(または一人)で回す
・日本国内のみの販売で、海外展開の予定はない
・電話でサポートに相談できる安心感が欲しい
・とにかく手軽に、すぐ始めたい

Shopifyが最適な事業者
・月商100万円以上を目指している(または到達済み)
・配送自動化やマーケティング機能で運用を効率化したい
・SNSショップやGoogle連携など、複数チャネルで販売したい
・将来的に海外販売やBtoB取引を視野に入れている
・外部パートナー(制作会社)と組んで本格的に構築したい

正直なところ、迷ったらShopifyを選んでおくほうが後悔は少ないと感じています。
理由はシンプルで、STORESからShopifyへの移行には相応の手間がかかりますが、Shopifyで使わない機能をそのまま放置しておくことにはコストがかからないからです。

ShopifyとSTORESの最終推奨まとめ図
最終判断は事業フェーズと運用体制で決まる。迷ったらShopifyを選んでおけば後悔は少ない。

もちろん、「月商50万円以下で安定運営したい。複雑な機能はいらない」という方針が明確なら、STORESは非常に優れた選択肢です。
その手軽さと日本向けの細やかな配慮は、Shopifyにはない強みでしょう。

どちらを選ぶにしても、大切なのは「サイトを作ったあとに何をするか」です。
プラットフォーム選びは出発点に過ぎません。開設後の集客・運用改善を地道に積み重ねていくことが、売上を作る本当のスタートラインになります。

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