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飲食店のリスティング広告はいくらから?客単価・粗利・予約数で決める月予算

飲食店の広告予算を粗利から決める図

飲食店のリスティング広告は、月約3万円といった一律の相場から決めるものではありません。
自店の客単価、1予約あたりの来店人数、粗利率、広告へ回せる割合、増やしたい実来店予約数を順に置くと、赤字を避ける月予算の仮説を作れます。

この記事では、1予約あたりの粗利から許容CPAを出し、月予算とGoogle広告の1日の平均予算へ変換する方法を解説します。
CPAとは、予約を1件獲得するために使った広告費のことです。

広告費を売上だけで決めると、食材原価やキャンセルを見落とします。
数字は必ず予約台帳やPOSの実績に置き換え、配信後は予約完了ではなく実際に来店した件数まで確認してください。

要点

飲食店の月予算は5つの入力で決める

客単価×1予約の人数×粗利率×広告投資率×目標実来店予約数が基本です。最初からLTVを想像で足さず、初回来店の粗利で無理のない上限を置きます。

飲食店のリスティング広告は一律の金額ではなく粗利から決める

飲食店のリスティング広告に、すべての店舗へ当てはまる開始額はありません。
Google広告の公式ヘルプも、広告主が1日の平均予算を決め、後から変更できると案内しています。

つまり、先に決めるべきなのは「管理画面へ入力できる金額」ではなく、1件の来店へいくらまで使えるかです。
飲食店のリスティング広告の費用を自店基準で考えると、次の5項目が必要になります。

  • 客単価: 1人が会計で支払う平均額
  • 1予約あたりの来店人数: 1組に何人来るか
  • 粗利率: 売上から食材原価などを引いた後に残る割合
  • 広告投資率: 1予約の粗利のうち新規獲得へ回す割合
  • 目標実来店予約数: 予約完了ではなく来店まで確認できた件数

「月約3万円で始められるか」と「月約3万円で判断材料が集まるか」は別の問いです。
商圏のクリック単価が高ければ、設定はできても判断材料が集まらない場合があります。

一律相場と自店粗利の判断比較
相場ではなく自店の粗利を予算の根拠にします。

Google広告全般の費用構造は、Google広告の費用と少額から始める予算の考え方でも整理しており、この記事ではそこから一歩進めて飲食店の予約単位へ落とし込みます。

注意相場をそのまま予算にしない

他店の月予算は、商圏、料理ジャンル、営業時間、予約率、粗利が異なります。参考額より先に、自店の許容CPAを計算してください。

出典: Google広告ヘルプ「Google広告の費用を管理する」

客単価と粗利から1予約の許容CPAを出す

飲食店の広告予算は、1予約で残る粗利を先に計算し、その一部を広告へ配分すると整理できます。
客単価だけを許容CPAにすると、複数人予約の価値も食材原価も反映できません。

1予約あたり粗利を計算する

1予約あたり売上=客単価×1予約あたりの平均来店人数です。そこへ粗利率を掛けると、1予約から食材原価などを差し引いた後に残る粗利の目安が出ます。

たとえば、客単価が約4,000円、1予約が2人、粗利率が65%という仮定なら、1予約あたり売上は約8,000円、1予約あたり粗利は約5,200円です。
約8,000円をそのまま広告費の上限にしてはいけません。

客単価×人数
原価を差し引く
投資率を掛ける
来店目標を掛ける
順番を逆にせず、店舗の利益から広告費へ落とす

粗利のうち広告へ回す割合を決める

許容CPAは、1予約あたり粗利×広告投資率で仮置きします。
広告投資率はGoogleが決める数値ではなく、家賃、人件費、利益、再来店の実績を見ながら店舗側が決める経営判断です。

初期は初回来店の粗利だけで成立する水準へ置くと、想像上のリピート価値で赤字を隠しにくくなります。
再来店率と再来店時の粗利が実測できる前に、LTVを上乗せしないでください。

回避粗利の全額を広告費にしない

粗利の全額を許容CPAにすると、人件費、家賃、決済手数料、利益が残りません。粗利と広告へ回す割合は別の入力欄にしてください。

売上目標からWeb広告全体を逆算したい場合は、Web広告の予算を売上目標と成約率から決める方法も併用できます。飲食店では、売上目標だけでなく席数と実来店まで追えるかを加えるのがポイントです。

飲食店のリスティング広告の月予算と1日の平均予算を逆算する

飲食店のリスティング広告の月予算は、許容CPA×目標実来店予約数で仮置きします。
予約完了の件数ではなく、厨房・ホール・席が無理なく受け入れられる実来店の増加件数を置いてください。

許容CPAと実来店目標を掛ける

許容CPAが約1,560円で、月に20件の実来店予約を増やしたいなら、月予算の仮説は約31,000円です。Google広告の1日の平均予算へ直すときは、月予算÷30.4で考えます。

ただし、1日の平均予算は毎日の支出上限そのものではありません。
Google公式によると、ほとんどのキャンペーンでは1日の費用上限が1日の平均予算の2倍、1ヶ月の費用上限が1日の平均予算の30.4倍です。

補足1日の平均予算は月内でならされる

検索需要の多い日に1日の平均予算を超える場合があります。1日だけで良否を決めず、月の費用上限と同じ期間の成果で確認してください。

出典: Google広告ヘルプ「予算の概要」

予約完了と実来店を分ける

予約フォームの完了数だけを目標にすると、キャンセルや無断キャンセルを含んだままCPAを評価してしまい、予約CPAが許容内でも、実来店CPAが上限を超えることがあります。

広告画面で見る

Web予約完了
有効な電話
予約CPA

店舗側で確かめる

予約台帳との照合
キャンセル除外
実来店CPA

実来店CPAは、広告費÷広告経由の実来店予約数で算定し、外部予約サイトで完了計測が難しい場合も、流入元を予約台帳へ記録して月次で照合すれば、予約ボタンのクリックだけより現実に近づきます。

2026年9月時点の飲食店予算を3ケースで試算する

次は、計算方法を理解するための2026年9月時点の仮定例であり、実在店舗の実績や飲食店の相場ではありません。
客単価と予約人数が変わると月予算がどう動くかを見るための比較です。

試算の共通条件

3ケースとも、客単価、1予約人数、粗利率、広告投資率、目標実来店予約数の同じ入力項目を使い、金額にはすべて「約」を付けて計算結果を読みやすい単位へ丸めています。

  • ランチ: 客単価約1,500円、1予約2人、粗利率65%、広告投資率25%
  • 通常ディナー: 客単価約4,000円、1予約2人、粗利率65%、広告投資率30%
  • 宴会: 客単価約6,000円、1予約6人、粗利率60%、広告投資率30%

ランチ・通常ディナー・宴会の試算表

項目ランチディナー宴会
客単価約1,500円約4,000円約6,000円
予約人数2人2人6人
粗利率65%65%60%
予約粗利約2,000円約5,200円約22,000円
広告投資率25%30%30%
許容CPA約500円約1,560円約6,500円
来店目標20件20件8件
月予算約10,000円約31,000円約52,000円
1日の平均予算約300円約1,000円約1,700円

同じ飲食店でも、1予約が生む粗利で許容CPAは大きく変わります。大切なのは宴会へ多く配分することではなく、埋めたい時間帯と受け入れ可能な予約数に分けて計算することです。

メニュー別の月予算試算グラフ
仮定する予約粗利と目標件数で月予算は変わります。

ランチの1日の平均予算が約300円という結果でも、その金額で十分なクリックを得られるとは限りません。計算上の上限が小さすぎて検証できないなら、広告費だけを増やすのではなく、対象メニュー、予約人数、受け皿ページを見直します。

仮定この表は自店の相場ではない

表の数値は計算手順を示すための例です。POS、原価表、予約台帳の実績値へ置き換え、キャンセル後の実来店件数で再計算してください。

飲食店のリスティング広告が小さすぎないか需要予測で確かめる

利益から出した上限は、配信可能性の確認前にはまだ仮説です。
飲食店のリスティング広告では、Google広告のキーワードプランナーで対象地域のクリック数、費用、平均CPCを確認し、必要な検証量を得られるかを確かめます。

キーワードプランナーで商圏を確認する

地域は都道府県全体ではなく、実際に来店できる市区町村や半径へ寄せ、キーワードも「居酒屋」だけでなく、地域名、料理、利用目的を分けると、どの予約枠へ需要があるか見やすくなります。

来店商圏と検索需要の重なり図
来店可能な商圏と検索需要の重なりを検証します。
  • 地域: 実際の商圏へ絞る
  • 時間帯: ランチ、ディナー、宴会を分ける
  • 語句: 地域名、料理名、個室、宴会など目的別に見る
  • 予測: クリック数、費用、平均CPCを記録する

判断できないほどデータが少ない場合

狭い地域では、キーワードプランナーの予測精度が下がる場合があります。
そのときは範囲を無条件に広げず近接地域を含めた予測と実際の来店可能範囲を別々に確認してください。

予算内で想定クリックが極端に少ない場合は、広告の勝ち負けを判定できない可能性があるため、対象を粗利の高い宴会へ絞る、平日だけにする、予約ページを改善してから配信するなど、検証条件を小さく整えます。

広告の受け皿がSNSやグルメサイトだけでよいか迷う場合は、飲食店にホームページが必要になるケースも確認できます。クリック後にメニュー、価格、場所、予約方法が伝わらなければ、予算を増やしても予約率は整いません。

判断小さく試す単位を変える

月予算だけを小さくするのではなく、対象メニュー、地域、曜日、時間帯を絞ることで、何の予約が増えたかを判定できる検証になります。

出典: Google広告ヘルプ「キーワードプランナーの予測について」

配信前にGoogle広告の計測と商圏を整える

飲食店のGoogle広告集客は、予算を入れる前に成果の数え方を決め、Web予約、電話、実来店を分けることで、クリックは増えたのに席が埋まらない状態を早く見つけられます。

Web予約・電話・実来店を分ける

Google広告は、Web、電話、オフラインなどの行動を別のコンバージョンとして計測できます。
飲食店では予約ボタンのクリック予約完了と同じ価値にせず、中間行動として分けるのが安全です。

  • Web予約完了: 完了ページまたは予約システムの連携で確認する
  • 電話予約: 有効な通話と単なるタップを分ける
  • 実来店: 予約台帳やオフラインデータで照合する
  • 中間行動: メニュー閲覧や地図表示は補助指標にする

コンバージョンが記録されない場合は、Google広告のコンバージョン計測を確認する順序に沿って、タグ、ステータス、反映待ちを切り分けられます。計測が開通する前に配信すると、予算を増減する根拠が残りません。

警告予約クリックを来店と呼ばない

外部予約サイトへ移動しただけでは、予約完了も来店も確定していません。取れる範囲の事実を分け、台帳照合で不足を補う運用にしてください。

出典: Google広告ヘルプ「さまざまなコンバージョントラッキングの方法」

地域設定は来店目的から選ぶ

地域ターゲティングの既定では、対象地域にいる人だけでなく、その地域に関心を示した人も含まれるため、近隣住民の当日需要を狙うのか、旅行や宴会を計画する遠方の人も含めるのかで設定を選びます。

現在地中心の来店を狙うなら所在地を重視し、旅行・接待・宴会予約なら関心層を含める余地があり、店名、住所、営業時間、予約ページの情報も一致させて、広告を見た人が迷わず来店判断できる状態にします。

確認商圏は広さではなく来店可能性で決める

表示回数を増やすためだけに遠方へ広げず、予約目的と移動可能範囲を基準にします。配信後は地域別の実来店まで照合してください。

出典: Google広告ヘルプ「地域ターゲティングの詳細設定」

飲食店の広告予算を増やす・減らす判断基準

飲食店のリスティング広告は、予約件数だけで増額を決めません。
検索語句、予約CPA、実来店CPA、1予約粗利、受け入れ可能な席数を同じ期間で並べます。

同じ期間の指標を横に並べる

検索語句レポートでは、広告表示につながった実際の検索語句を確認でき、関係のない地域、求人、レシピ、持ち帰り不可の商品などが混ざるなら、除外キーワード候補として検討します。

一方で、検索語句を除外しすぎると需要まで削ります。単語だけで判断せず、その検索から予約と実来店が生まれたかを確認してから調整してください。

出典: Google広告ヘルプ「検索語句レポートを使って除外キーワードの候補を取得する」

増額・維持・減額の分岐

増額を検討

実来店CPAが許容内で、追加予約を受け入れられる。

維持して観察

件数が少なく、良否を判断する材料がまだ足りない。

減額・修正

実来店CPAが上限を超え、無関係な検索や離脱も多い。

増額の条件は、実来店CPAが許容内で、さらに席と人員に余力があることです。
予約が増えても満席時間へ偏り、既存客を断るなら増額しないで、配信時間や対象メニューを調整します。

広告増額判断の隠れた条件
予約数の下に採算と受け入れ余力があります。

判断の記録には、経営者が見る広告運用レポートの指標が役立ち、広告管理画面の数字と予約台帳を同じ週・同じ月で並べると、担当者への確認事項も明確になります。

注意成果が良くても自動的に増額しない

厨房、ホール、席数が受け入れられなければ、予約の追加は顧客体験を下げます。広告効率と店舗運営の余力をセットで判断してください。

飲食店のリスティング広告予算を決める前のチェックリスト

飲食店のリスティング広告予算とは、客単価・予約人数・粗利率から出した許容CPAに、増やしたい実来店予約数を掛けて決める投資上限です。

配信前に次の項目を埋めると、広告代理店へ相談する場合も「月いくら使うか」だけでなく、何件の実来店を、いくら以内で増やしたいかを共有できます。

  • 客単価と1予約あたりの平均来店人数をPOS・予約台帳から出した
  • 食材原価などを反映した粗利率を確認した
  • 粗利のうち広告へ回す割合を経営判断として決めた
  • キャンセルを除いた目標実来店予約数を置いた
  • キーワードプランナーで商圏別の費用とクリック数を確認した
  • Web予約、電話、実来店の計測方法を分けた
  • 増額・維持・減額を判断する日と担当者を決めた

飲食店のリスティング広告でよくある質問

飲食店のリスティング広告費用を決めるときに迷いやすい点を、自店で判断するための答えに絞って確認します。

Q飲食店のリスティング広告は月約3万円から始めるべきですか?

A飲食店のリスティング広告は一律の月額ではなく、客単価、1予約の人数、粗利率、広告投資率、目標実来店予約数から自店の上限を逆算します。月約3万円で十分なクリックと来店データが得られるかは、商圏別の予測でも確認してください。

Q飲食店の広告費は売上の何%が目安ですか?

A飲食店の広告費は、売上比率だけでは原価や予約人数の差を反映できません。初期は1予約あたり粗利を計算し、そのうち広告へ回せる割合を店舗の固定費と利益を見ながら決めます。

QGoogle広告の1日予算は月予算からどう決めますか?

AGoogle広告の1日の平均予算は、月予算を30.4で割って仮置きします。ほとんどのキャンペーンで日々の費用は1日の平均予算の最大2倍まで変動し得るため、1日ではなく月の上限と成果を確認します。

Q客単価は1人分と1組分のどちらを使いますか?

A客単価は1人分を使い、1予約あたりの平均来店人数を掛けて1組分の売上を出します。その売上へ粗利率を掛けてから、1予約の許容CPAを計算してください。

Q予約ボタンのクリックはコンバージョンにしてもよいですか?

A予約ボタンのクリックは中間行動として計測できますが、予約完了や実来店と同じ価値にはしません。予約完了が取れない場合は、予約台帳との照合で実来店件数を補います。

Q電話予約の成果はGoogle広告で計測できますか?

AGoogle広告では通話コンバージョンやオフラインデータの取り込みを利用できます。利用環境で対応条件を確認し、電話番号のタップと実際の予約成立を分けて評価してください。

Q飲食店の広告予算はいつ増やせばよいですか?

A飲食店の広告予算は、実来店CPAが自店の許容額内に収まり、追加予約を受け入れる席と人員があるときに増額を検討します。予約CPAだけが良い場合や、満席時間へ偏る場合は先に配信条件を直します。

上限額と受け入れ余力をそろえて配信する

1項目でも想像の数値が混ざるなら、広告費の前に計測方法を整えるのが安全です。予算計算と予約導線を自店だけで整理しにくい場合は、現状の数字をそろえたうえでノーサイドへご相談ください

着手まず1枚の計算表を作る

広告管理画面を開く前に、5つの入力、許容CPA、月予算、1日の平均予算を1枚へ記入します。配信後は予測値を実績値へ差し替えてください。