採用サイトの研修制度は、入社した人が何を学び、誰に教わり、どの仕事から担当するのかを順番に書くと、応募者が自分の働く姿を想像しやすくなります。「研修制度が充実しています」という一文から、実際の教育の説明へ進めるのが原稿づくりの出発点です。
その原稿には、入社初日から独り立ちまでの流れに加え、分からないときに相談できる相手も添えましょう。大規模な集合研修がない会社でも、日々行っている教え方を確かめれば、応募者へ伝えられる内容が見つかります。
補足文例は、自社で行っている内容に合わせて使う
以下は採用サイト向けに作成した架空の会社の文例であり、ノーサイドや実在する顧客の研修実績ではありません。担当制・研修内容・面談・費用支援などは、自社で実施しているものに置き換えて使ってください。
採用サイトの研修制度は「いつ・何を・誰から学ぶか」を書く
採用サイトの研修制度の紹介文には、対象者・時期・内容・教える人・到達目標・支援条件をそろえると、制度名だけでは伝わらない教育の実態が見えてきます。まずは募集する職種を一つ決め、その職種に入社した人の流れを短く書いてみましょう。
文例全体像を伝える短い紹介文
入社後は、会社の事業と仕事の基本ルールを学ぶ研修から始め、配属後は先輩社員と一緒に実務を経験しながら、理解度に応じて担当する仕事を増やしていきます。
分からないことは教育担当者へ相談でき、独り立ち後も業務上の疑問や今後の成長について上司と話し合う機会を設けています。
この文例で使っている「教育担当者」や「話し合う機会」が自社にあるかを確かめ、決まっていない部分は先に現場へ聞く必要があります。実施していない担当制や面談を、文例からそのまま足してはいけません。
研修制度の紹介文を作る前の確認項目
| 記載項目 | 社内で確かめること |
|---|---|
| 対象者 | 新卒・経験者・未経験者、対象職種 |
| 時期 | 初日、配属前後、独り立ち後に行うこと |
| 内容 | 見学・練習・実務で何を覚えるか |
| 教える人 | 担当者、上司、質問を受ける相手 |
| 到達目標 | 一人でできるようになる業務と確認方法 |
| 支援条件 | 勤務時間内外、対象資格、費用の負担範囲 |
たとえば「丁寧なOJT」も、作業の見学、先輩と一緒に行う練習、結果の振り返りまで示せれば、教え方の説明になります。私たちは採用原稿では、形容詞を足す前に、実際の行動を一つ書くことを勧めます。
先輩が丁寧に指導
入力結果を担当者が確認
こうした教育の説明は、給与や勤務条件の記載を置き換えるものではありません。応募者が条件も確かめられるよう、採用サイトの募集要項に必要な情報と行き来できる位置へ置くと、仕事内容と教育体制を合わせて検討できます。
採用サイトの研修制度に使える段階別の文例
研修制度の紹介文は、入社初日→基礎を学ぶ→実務を経験する→担当範囲を広げるという順にすると、入社後の変化を追いやすくなります。この順序を土台にしつつ、自社で実施していない段階は省き、実際の育成手順に合わせましょう。
入社初日:誰と働き、どこへ相談するかを伝える
入社初日の説明では、仕事を始める前に知っておくことを具体的にし、職場案内や社内ルールと合わせて質問する相手まで示すと、その後の実務の説明にも自然につながります。
文例入社初日の案内文
入社初日は、職場の案内と一緒に働くメンバーの紹介から始め、勤務上のルール、社内で使うシステム、情報の取り扱いを説明した後、配属先で仕事の流れを確認します。
業務で迷ったときの質問先や、勤怠・各種手続きの相談先もお伝えします。
この内容は、全員が同じ日程で集合する会社だけのものではありません。個別に案内する場合は「入社日に配属先の担当者が説明します」と書き換え、実際には行わない集合研修を予定に含めないようにします。
基礎研修:研修名と学ぶ内容を結び付ける
基礎研修の紹介文では、研修を通じてどの仕事の準備をするのかを添えると、カリキュラムの羅列を避けられます。製造なら安全と品質、営業なら商品と商談の流れというように、配属後の業務へ結び付けてみましょう。
文例製造職を想定した基礎研修の文例
製造部門では、作業を始める前に安全上のルールと製品の品質基準を学び、使用する工具や測定器の扱いを練習してから、作業手順書の読み方を確認します。
実際の工程に入る前に担当者が理解度を確かめ、練習が必要な部分は繰り返し説明します。
ここで挙げた工具や測定器は作例なので、自社の職務に合わせた具体語へ置き換えてください。資格や特別な教育が必要な作業では、文例だけを根拠に、未経験者がすぐ担当できるように見せないことも欠かせません。
配属後のOJT:一緒に行う業務と振り返りを示す
配属後のOJTは、実際の仕事を通じて教わる過程を伝えるため、「先輩の指導のもとで成長」とまとめず、最初に見る仕事、次に取り組む仕事、結果を確かめる人の順で表すと具体的です。
文例営業職を想定したOJTの文例
配属後は先輩社員の訪問や商談に同席して商品の説明とお客様への確認事項を学び、流れをつかんだ後は、一緒に見積書の準備や商談後の連絡に取り組みます。
対応後に内容を振り返り、できるようになった業務から担当する範囲を広げていきます。
こうした説明があれば、応募者は「見学だけなのか、自分でも実践するのか」を読み取れます。採用サイトに載せる1日の流れも用意するなら、研修中と独り立ち後のどちらの日なのかを明記し、同じ日のように混ぜないでください。
独り立ち:日数よりも任せる仕事の基準を書く
独り立ちの説明では、何を一人で担当できる状態にするかを先に決めると、応募者へ伝える基準がはっきりします。到達までの期間が人や職種で異なる場合は、その違いと支援を続ける条件も添えましょう。
文例担当業務を広げるときの文例
担当業務の基本手順を理解し、決められた確認事項に沿って進められるようになった段階で、上司と教育担当者が次の担当範囲を相談します。
習熟状況に応じて追加の練習や同行を行うため、独り立ちの時期は一人ひとり異なり、担当を持った後も、判断に迷う案件は上司へ相談できる体制を続けます。
期間の実績を示す場合も、対象職種・経験の有無・一人で任せる業務をセットにすると、数字の意味が伝わります。その際、「全員が3か月で独り立ち」など、裏付けのない期限保証は避けてください。
採用サイトの教育制度は新卒・中途と研修の実態で書き分ける
採用サイトの教育制度は、採用区分や入社時点の経験で内容が変わるかを確かめてから原稿を分けます。同じ会社でも、新卒と中途、経験者と未経験者では学ぶ出発点が異なるため、一つの研修日程で説明すると実態から離れてしまいます。
経験者採用:これまでの経験をどう確認するかを加える
文例中途・経験者採用向けの紹介文
中途入社の方には、これまでの経験と担当する業務を確認したうえで必要な研修内容を決め、会社の商品・サービス、社内の手続き、業務で使うシステムを学んだ後、配属先で仕事を進めます。
経験のある業務でも、当社での進め方や判断基準を共有し、不慣れな業務には先輩社員が対応を補助します。
この文例は、入社後に経験と業務を確認して研修を調整する会社向けです。実際には全員が共通研修を受けるなら、その事実を残したうえで、共通部分の後に個別の教育を行うと書けば、採用区分ごとの差を説明できます。
集合研修がない会社:普段の教え方をそのまま書く
集合研修がない会社でも、入社した人へ継続して教えていることがあれば、それを原稿にできます。厚生労働省の職場情報の提供制度でも、就業規則等に制度として定めていなくても、継続実施と従業員への周知がある取組は「有」として情報提供すると説明されています。
文例少人数で仕事を教えている会社の文例
入社後は配属先で先輩社員と実務を進めながら仕事を覚えるため、最初に基本の手順を説明し、先輩の対応を見た後、一緒に業務へ取り組みます。
集合形式の新人研修は実施していませんが、業務に応じて個別に説明しており、その日の仕事で迷った点は担当する先輩へ相談し、必要に応じて手順を確認し直します。
ただし、日によって誰が教えるかも決まっていない状態なら、原稿を整える前に質問先を社内で決める必要があります。質問先が決まらないまま、実態のない教育体制を採用ページの言葉だけで補うことはできません。
採用サイトの研修制度に相談先・資格取得支援を添える
採用サイトの研修制度を説明した後は、仕事の教え方と、困ったときの相談先を分けて案内します。OJTの教育担当、仕事以外の悩みを相談する相手、自己学習の支援が同じ制度とは限らないため、それぞれの役割を確かめましょう。
業務を教える担当
職場生活を支える相談先
メンターは「先輩社員」の言い換えにしない
しょくばらぼでは、研修制度とメンター制度、自己啓発支援制度を別の項目として説明しています。この区分を参考に、誰を対象に、何について相談できるのかを書き分けると、制度名による行き違いを減らせます。
教育担当を置いているだけなら、その役割を具体的に書けば十分です。相談相手が決まっていないのに「メンター制度あり」と記載しないよう、人事の制度名と実際の運用を照合してください。
資格取得支援は対象と申請条件まで伝える
資格取得支援の紹介文を作る前には、どの資格・費用が対象か、申請が必要かまで確認します。というのも、「会社が全額負担」という表現は、教材費、講習費、受験料、再受験費まで含むと読まれる場合があり、費目ごとの範囲を示す必要があるためです。
文例受験料の支援がある会社の文例
業務に関連する資格の取得を支援しており、会社が定める対象資格について、事前に承認を受けた場合は受験料を補助します。
対象資格と申請方法、補助の条件は社内の案内に沿って説明し、学習の進め方は上司へ相談できるようにすることで、担当業務に必要な知識の習得を支援します。
この文例の「受験料」や「事前承認」は、実際の規定に合わせて置き換えます。制度の対象者や利用条件を共通のページへまとめるなら、採用サイトの福利厚生の紹介文も参考にし、同じ支援内容の金額や条件がページごとに食い違わないようにしましょう。
研修の実施時間も応募者が知りたい条件の一つで、業務上必要な研修を、名称だけで任意の自己学習として扱わないようにします。厚生労働省の質疑応答でも、業務上義務付けられた研修や指示により行う業務上必要な学習は労働時間に該当するとされています。
出典:厚生労働省「労働時間の認定に係る質疑応答・参考事例集」問4(PDF)
社内取材で教育の実態を集め、ページへ配置する
研修制度の紹介文を作るときは、人事の制度資料と、教える社員の実際の行動を両方集めます。人事には適用条件、現場には直近の入社者へ教えた内容を聞くと、規定と運用を分けて整理できます。
教育担当者と人事へ聞く質問
| 聞く相手・質問 | 原稿に使う内容 |
|---|---|
| 人事:誰が対象ですか | 採用区分、職種、雇用形態 |
| 教育担当:最初に何を教えましたか | 初日と基礎研修の内容 |
| 教育担当:一緒に進める仕事は何ですか | 見学から実践への順序 |
| 上司:一人で任せる判断はどうしますか | 担当範囲と到達基準 |
| 入社した社員:困ったときは誰に聞きましたか | 相談先と支援の使い方 |
| 人事・現場:現在は変わっていませんか | 掲載内容と実施状況の一致 |
抽象的な回答は、直近の場面を聞いて具体化する
たとえば取材で「先輩が丁寧に教えています」と返ってきたら、最初に任せた仕事と、確認した場面を聞き返します。担当者が普段行っていることでも、応募者には初めての情報なので、行動の順番まで尋ねると原稿にしやすくなります。
原稿例取材回答から掲載文へ変える例
取材回答の作例:受注入力を先輩の横で見て、次に一緒に入力し、確定前に内容を見てもらっています。
掲載文の作例:配属後は受注入力の流れを先輩のそばで学び、その後、一緒に入力を進めます。入力内容は確定前に先輩が確認し、手順と確認事項を覚えた業務から任せていきます。
この変換では「専任担当」「毎日の面談」といった新しい事実を足していません。聞けた行動を順番に並べるだけでも、応募者へ伝わる情報は増やせます。
説明・図・社員の声を分担させる
ページには、概要文→入社後の流れ→支援条件→関連する仕事の情報という順に置くと、読む人が必要な所から確かめられます。スマートフォンでは大きな研修体系図の画像だけに頼らず、職種ごとに短い見出しと説明文を付けると読みやすいでしょう。
概要文
教育の目的と対象者を知る
入社後の流れ
学ぶ順序と担当業務を追う
利用条件
相談先や支援範囲を確かめる
社員の体験
実際の学び方の一例を見る
社員の体験を添える場合は、社員インタビューの質問と構成を使い、どの職種・採用区分・入社時期の経験なのかも聞いておきます。一人の体験を、全社員に適用される制度へ広げないよう、会社としての説明と個人の話を分けて掲載してください。
採用サイトの研修制度に関するよくある質問
Q大きな集合研修がなくても、採用サイトに研修制度を載せられますか?
A採用サイトの研修制度は、集合研修がなくても、継続して行っている教育の内容を紹介できます。実務を誰からどう教わるかを具体的に書き、実施していない集合研修や専任担当者は付け足さないでください。
QOJTだけの会社は、研修制度をどう書けばよいですか?
AOJTだけの会社は、見学する仕事、一緒に進める仕事、結果を確かめる人を順に書くと、教え方が伝わります。「現場で覚えます」だけで終えず、分からないときの質問先も添えましょう。
Q独り立ちまでの期間は必ず載せる必要がありますか?
A独り立ちまでの期間を一律に示すことにこだわらず、先に一人で任せる業務と判断方法を説明するとよいでしょう。期間の実績を載せる場合は対象職種と経験の有無を添え、全員が同じ時期に達成する保証にしないでください。
Q中途採用の研修制度は、新卒と同じ文章でよいですか?
A中途採用の研修制度は、実施内容が新卒と異なるなら文章を分けます。共通の会社説明と、経験や配属先に応じた教育を区分し、経験者にも新卒と同じ長期研修があるような記載を避けましょう。
Q教育担当者とメンターは同じものですか?
A教育担当者とメンターは、会社で担わせている役割を確認して書き分けます。業務の指導を行う相手と職場生活などの相談を受ける相手が異なる場合は、その違いと対象者を説明してください。
Q資格取得支援の紹介文には何を書きますか?
A資格取得支援の紹介文には、対象資格、対象者、支援する費目、事前申請などの条件を記載します。受験料だけを支援する場合に、教材費や再受験料まで全額負担するように見せないことが大切です。
Q研修制度の説明と社員インタビューはどう分けますか?
A研修制度の説明には会社として実施する内容と条件を書き、社員インタビューには本人が経験した学びや仕事の変化を載せます。個人の経験が他の職種や入社時期にも当てはまるとは限らないため、区分して見せましょう。
公開前に現場の説明と原稿を照合する
採用サイトの研修制度を公開する前は、応募者が入社してから同じ説明を受けられるかという基準で、人事と教育担当者に原稿を確認してもらいます。求人情報には虚偽や誤解を生じさせる表示を避け、正確かつ最新に保つことが求められるため、制度が変わった後の更新も担当を決めておきましょう。
出典:厚生労働省「労働者の募集広告の表示について」、厚生労働省「労働者の募集ルールが変わります」(PDF)
- 文例の職種・対象者を自社の募集に置き換えた
- 記載した教育担当者・相談先が実際にいる
- 研修時期と勤務時間、費用負担を確かめた
- 独り立ちの説明が根拠のない期限保証になっていない
- 社員の体験と全社の制度を分けた
- 制度変更時の更新担当と確認先を決めた
確認が終わったら、研修の説明から仕事内容や募集条件へ進めるかを見直します。応募前の疑問が残る場合は、採用サイトのよくある質問の回答文例を使い、研修ページに詰め込みすぎず疑問ごとの回答へつなげるとよいでしょう。
要点まずは、募集する職種の入社後を一つ書く
採用サイトの研修制度は、初日に知ること、実務で覚えること、一人で任せる基準を順につなぐと、教育の実態が伝わる原稿になります。その内容が現場と一致していることを確かめてから、相談先や資格支援の条件を足していきましょう。
ノーサイドは、採用サイトの制作と採用支援に対応しています。社内にある教育の取組をどのように見せるか、仕事内容や応募までの導線と合わせて相談したい場合は、お問い合わせフォームから現在の課題をお知らせください。

