お名前.comのWPキャッシュを設定するには、共用サーバーGS側で機能を有効にし、WordPress側にLiteSpeed Cacheプラグインを導入する準備が必要です。サーバーのスイッチだけを切り替えて、作業完了とは判断しないでください。
この記事は、GSプランで会社のWordPressサイトを運営している担当者向けに、対象条件から設定、動作確認までを整理したもの。設定後は、表示だけでなく問い合わせが正常に届くことまで確認します。2026年9月4日に確認した公式情報を基にしており、個別サイトでの速度改善や動作を保証するものではありません。
お名前.comのWPキャッシュを設定できる対象条件
今回のWPキャッシュは、お名前.comの共用サーバーGSでWordPressを使っている契約者が対象です。公式告知に記載された提供開始日は2026年8月31日で、告知の掲載日は9月1日でした。GSプラン向けの機能として確認するのが出発点になります。
キャッシュとは、生成したページなどを保存して再利用する仕組みのこと。GSのWPキャッシュは、サーバー側のLiteSpeedキャッシュとWordPress側のプラグインを連携させる方式です。ただし、WordPress以外で作られたサイトには効果がないと案内されています。
要点「無料」の範囲を分けて確認
WPキャッシュ機能自体は無料で利用できますが、WordPressの利用には有料のデータベースオプションが必要になる場合があります。
契約全体の費用や保守作業まで無料になるわけではありません。
出典:お名前.com「共用サーバーGS『WPキャッシュ』提供開始のお知らせ」
GSとRSの設定画面を混同しない
お名前.comにはRSプラン向けのキャッシュ案内もありますが、本記事の対象はGSプラン。検索で見つかった手順に「Web表示高速化」など別のメニューが出てきたら、契約プラン名を先に照合しましょう。別プランの説明を、そのまま自社の管理画面に当てはめないことが必要です。
GS側の役割
WordPress側の役割
また、キャッシュは速度改善の選択肢の一つであって、重い画像や外部スクリプトまで一度に解決する約束ではありません。どのページが遅いのかを先に把握したい場合は、ページ表示速度の改善方法とPageSpeed Insightsの使い方も参考になります。
お名前.comのWPキャッシュ設定前に準備すること
設定前にそろえたいのは、変更前に戻せる準備と、変更後を確認できる体制です。
私なら、スイッチの場所を探すより先に、不具合が出たときに誰が元へ戻すかを決めてから、作業時間を確保します。
担当者が不在になる直前に作業を始めると、確認途中で対応が止まりかねません。
- 対象ドメインがGS契約のどのサイトかを確認する
- WordPressのファイルとデータベースをバックアップし、復元方法も確認する
- 現在のキャッシュ関連設定とプラグイン一覧を記録する
- トップページ・主要ページ・問い合わせフォームの変更前の動作を確認する
- GSとWordPressの両方で、設定できる権限を持つ担当者を確保する
バックアップがあることと、復元作業を誰かに頼めることは別の話。保守会社へ任せているなら、キャッシュ設定の変更と、変更後の確認が契約範囲に入るかを先に確認してください。依頼範囲はホームページ保守の対応範囲で整理できます。
既存のキャッシュ機能は役割を調べる
LiteSpeedの導入案内では、ほかのフルページキャッシュプラグインを無効にしてから導入するよう説明されています。ページ全体を保存する機能を重ねないための確認であり、すべてのプラグインを一括停止するという意味ではありません。
複数機能を持つ高速化プラグインにはキャッシュ以外の処理も含まれるため、何を止めるか判断できなければ、プラグイン名と設定画面を保守担当へ渡すところでいったん止めましょう。
現在の設定が不明なまま、追加だけを進めないのが安全です。
お名前.comのWPキャッシュをGSとWordPressで設定する手順
作業はGSコントロールパネル、WordPress管理画面、未ログインでの確認という順番で進めます。設定できる項目が見つからない場合、似た名前の別機能へ置き換えず、契約や権限を確かめてください。
1. GSコントロールパネルへ入る
公式案内では、お名前.com Naviにログインし、「その他」→「共用サーバーGS」→対象の「プラン名」へ進みます。「コントロールパネル情報」を開き、「コントロールパネル」欄の「ログイン」から、GSの管理画面へ移動する流れです。
NaviとGSコントロールパネルは別の管理画面です。GSのログイン画面にNaviのお名前IDとパスワードを直接入力してもログインできないと案内されています。また、契約者アカウント・ドメイン管理者・サイト管理者・一般ユーザーの区分で操作範囲が異なるため、項目がないことを機能未提供と即断しないでください。
出典:お名前.comヘルプ「【共用サーバーGS】CONTROL PANELにログインできません」
2. GS側でWPキャッシュを有効にする
GSコントロールパネルで、「Web」→「WPキャッシュ」へ進み、「キャッシュ機能の利用」を「利用する」に変更してください。
操作対象が自社のWordPressサイトであることを確認してから変更する手順です。
この経路は、前述のGS向け提供開始告知で確認したものです。
画面が異なる場合は、プラン名とログイン権限を再確認し、解消しなければお名前.comへ問い合わせます。画面にない項目を探して、ほかのサーバー設定まで変更する必要はありません。
3. WordPress側にLiteSpeed Cacheを導入する
WordPress管理画面のプラグイン追加画面で「LiteSpeed Cache」を検索し、作者がLiteSpeed Technologiesであることを確認して、インストール・有効化します。続いてLiteSpeed Cacheの「Cache」設定を開き、キャッシュタブの「Enable Cache」をONにして変更を保存してください。
日本語化された画面では、キャッシュの有効化に対応する項目を確認します。
ここでは初期値がONかOFFかを決めつけず、保存後の状態を画面で確かめるようにしてください。
私なら、不具合の原因を分けにくくなるのを避けるため、この段階でCSSやJavaScriptの最適化まで同時には変更しません。
GSで有効化
対象サイトを確認
WPで連携
設定を保存
動作を確認
表示と送信を検査
出典:LiteSpeed公式ドキュメント「Installation」(英語・プラグインの導入とキャッシュ確認)
お名前.comのWPキャッシュ設定後に確認すること
キャッシュが働いているかと、サイトが正常に使えるかは別々に確認します。ログイン中の管理者画面だけで判断せず、WordPressにログインしていない状態で公開ページを開くのが基本です。
キャッシュの確認はレスポンスヘッダーで行う
技術担当者には、ブラウザの開発者ツールでNetworkを開き、ページを再読み込みして、HTML文書のレスポンスヘッダーを見てもらってください。LiteSpeed公式では、X-LiteSpeed-Cache: hitがキャッシュから配信されたことを示す確認方法として案内されています。
初回がmissで次の読み込みがhitになる例がありますが、すでに保存済みなら初回からhitの場合もあります。体感で速くなったかだけを、設定成功の根拠にしないようにしましょう。除外されるページまで無理にhitへ変えようとするのは避けてください。
公開ページ
更新内容・画像・メニューを確認
スマホ表示
配置・ボタン・操作を確認
問い合わせ
入力から通知メールまで確認
フォームは表示だけでなく送信まで試す
問い合わせフォームは、入力、エラー表示、送信完了、通知メールの受信まで自社でテストします。
私が完了条件にするなら、フォームが見えるだけでは不十分で、担当者へ問い合わせが届くところまでが基準。送信テスト用の内容であると明記すれば、社内の取り違えも避けやすくなります。
Contact Form 7を使っている場合、LiteSpeed公式はフォームの作成・編集後にキャッシュをパージすることと、TTLを24時間以下にすることを案内しています。TTLは保存の有効期間で、秒単位なら86400秒以下。この数値をすべてのフォーム共通の設定値として使わないでください。
出典:LiteSpeed公式ドキュメント「Third Party Compatibility」(英語・サードパーティープラグインとの互換性)
フォームの項目や入力負担も一緒に見直すなら、問い合わせフォームの項目設計を参照できます。
表示確認は普段のパソコンだけで終えず、スマホでも実施してください。確認範囲の決め方はクロスブラウザ対応と表示崩れ対策にまとめています。
カートや会員ページは個別に確認する
WooCommerceでは、カート・購入手続き・マイアカウントページはキャッシュ対象から自動除外されます。ただし公式はページの割り当て設定も確認するよう説明しているため、自動除外という説明だけで購入導線のテストを省かないことが必要です。
独自の会員機能やフォームを使っている場合も、他の利用者の情報が見えないか、入力やログイン状態が混ざらないかを含めて確認します。個別構成の動作を保証する手順ではないため、判断できない場合は制作・保守担当者へ依頼してください。
お名前.comのWPキャッシュ設定で不具合が出た場合
更新が見えない、フォームが送信できない、といった症状が出たら、変更した設定と発生箇所を記録し、作業を止めるところから始めます。保存済みページを消す「パージ」と、今後のキャッシュを止める操作を分けて考えてください。
症状別に、最初に確認する場所
| 症状 | 確認すること | 次の対応 |
|---|---|---|
| 更新内容が古い | 未ログインでも同じか | ページキャッシュをパージして再確認 |
| フォームが動かない | 変更前との差・送信結果 | キャッシュを止めて担当者へ相談 |
| 設定項目がない | GS契約・ログイン権限 | お名前.comへ利用条件を確認 |
| キャッシュが働かない | 対象ページ・サーバー条件 | 警告内容とヘッダーを担当者へ共有 |
ページキャッシュの削除は、LiteSpeed Cacheの「Toolbox」→「Purge」にある「Purge All – LSCache」が対象です。当該WordPressのページキャッシュを消す操作であり、記事やデータベースを削除する操作ではありません。名前の似たデータ削除機能を代わりに実行しないように注意してください。
キャッシュを止める場合は、WordPress側の「Enable Cache」をOFFにして保存すると、公式説明では既存キャッシュがパージされ、その後のページキャッシュも停止する仕組みです。
停止後に同じ操作を試し、症状が変わるかを確認すれば、担当者へ状況を伝える材料になります。
出典:LiteSpeed公式ドキュメント「Cache」(英語・キャッシュ設定と対象外ページ)
注意追加の最適化は同時に変更しない
CSS・JavaScriptの最適化などを別途変更していた場合、キャッシュをOFFにするだけで、その設定まで元へ戻るとは限りません。変更記録を見ながら、一つずつ戻す範囲を確認してください。
旧OS対応用のIPアドレスにも注意する
GSの2026年7月のメンテナンス告知には、旧OS対応用IPアドレス経由では、WPキャッシュなどが正常に利用できない場合があると記載されています。設定が見えても動かないときは、プラグイン以外の利用環境も確認対象です。
理由を確かめずにDNSやIPアドレスを変更しないでください。対象ドメイン、GSの契約情報、表示された警告、実施した設定を添えて、お名前.comまたは保守担当者へ確認する場面です。パスワードを送るのではなく、確認に必要な状況を共有します。
出典:お名前.com「共用サーバーGSのサーバーメンテナンス(2026/07/07)」
速度だけで判断
速く見えても
送信の不具合を見落とす
動作まで確認
キャッシュの確認と
問い合わせの確認を分ける
設定日と変更内容、確認したページ、テスト結果を残しておくと、その後の更新でも比較できます。
キャッシュ導入後も、更新した内容が見えるかを確認する運用にしてください。担当者間の引き継ぎにはホームページの更新頻度と運用の考え方も役立ちます。
お名前.comのWPキャッシュ設定に関するよくある質問
QWPキャッシュはRSプランでも同じ手順ですか?
A本記事は共用サーバーGS向けです。RSプランのキャッシュ設定とは管理画面が異なるため、契約プランに合う公式案内を確認してください。
QWPキャッシュの利用は無料ですか?
A2026年9月4日に確認した公式案内では、WPキャッシュ機能自体は無料です。ただし、WordPressの利用に有料のデータベースオプションが必要になる場合があります。
Qプラグインを入れるだけで設定は完了しますか?
AGS側のWPキャッシュ設定も必要です。WordPress側でLiteSpeed Cacheを有効にした後、未ログインでのページ表示とフォーム送信まで確認してください。
Qほかのプラグインはすべて停止すべきですか?
Aすべてを停止する手順ではありません。LiteSpeedの導入案内は、ほかのフルページキャッシュプラグインを無効にするよう説明しています。役割が不明な場合は保守担当者へ確認してください。
QContact Form 7で注意する設定はありますか?
ALiteSpeed公式では、Contact Form 7のフォーム作成・編集後のキャッシュ削除と、TTLを24時間以下にすることを案内しています。設定後は送信と通知メールの受信を確認してください。
QWPキャッシュで何倍速くなりますか?
Aこの記事では速度改善率を実測していないため、何倍とは言えません。対象ページと測定条件をそろえて比較し、フォームなどの機能が正常なことも別に確認してください。
Q不具合が出たときはどう戻しますか?
ALiteSpeed CacheのEnable CacheをOFFにして保存し、同じ操作で症状が変わるか確認します。ほかの最適化設定も変更していた場合は、それぞれの変更記録に沿って戻す範囲を確認してください。
まとめ:設定と動作確認をセットで進める
お名前.comのWPキャッシュは、GSの対象条件を確認し、サーバー側とWordPress側を設定したうえで検証する流れです。表示速度と問い合わせの正常動作を、別々の完了条件にすると、確認の抜けを防ぎやすくなります。
メモ担当者へ渡す情報
対象URL、GSの契約プラン、現在のキャッシュ機能、困っている症状、変更日時をまとめてください。ログイン情報を本文や共有メモへ書き込む必要はありません。
既存の設定が分からない、変更後のフォーム確認まで手が回らない場合は、ノーサイドのホームページ保守・改善に関する相談窓口へご相談ください。何を変更するかだけでなく、どこまで確認するかを整理するところから対応します。

