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採用サイトの「数字で見る会社」に載せたい項目例と応募者に誤解させない見せ方

採用サイトの数字を確認する図

採用サイトに「数字で見る会社」を作ろうとしても、社員数や平均年齢のほかに何を載せればよいのか、迷いやすいものです。数字を増やせば会社の魅力が伝わるわけではなく、定義や対象範囲が曖昧な数字は、かえって応募者を迷わせます

採用サイトの数字で見るページは、会社を大きく見せるための広告ではなく、応募者が「自分がここで働く姿」を判断するための材料です。
そこでこの記事では、掲載候補となる項目から誤解を防ぐ注記、公開前の確認手順まで順番に整理します。

要点

数字は「値」だけでなく条件と一緒に見せる

掲載する数字には、基準日・対象範囲・定義・補足を添えます。会社に都合のよい数字を選ぶより、応募者が比較でき、入社後も説明できる情報を優先してください。

採用サイトの「数字で見る会社」が果たす役割

採用サイトで数字を使う利点は、抽象的な言葉を判断材料へ変えられることです。「働きやすい会社です」だけでは受け手によって意味が変わりますが、休暇、残業、勤続、育児休業などの実績があれば、応募者は自分の希望と照らし合わせられます。

ただし、数字は客観的に見えるからこそ注意が必要です。たとえば全社員の平均残業時間だけを出しても、繁忙期や職種によって実態が違えば、入社後に「聞いていた話と違う」となります。平均値の見栄えより、誰の・いつの数字なのかを明らかにするほうが信頼につながります。

注意会社紹介と募集情報を切り離さない

厚生労働省は、求人企業が自社サイトなどで提供する募集情報について、虚偽または誤解を生じさせる表示を避け、正確かつ最新の内容に保つよう案内しています。数字で見るページも採用情報の一部として管理しましょう。

出典: 厚生労働省「労働者の募集ルールが変わります(求人企業向け)」

数字で見る会社だけを先に作るのではなく、採用ターゲット、社員インタビュー、募集要項との整合を見てください。採用コンテンツ全体の順番から整理したい場合は、採用サイト制作で先に決めたい内容をまとめたガイドも参考になります。

採用サイトの数字で見る会社に載せたい12項目

掲載候補は、会社の規模を示す数字、働き方を示す数字、成長と定着を示す数字に分けると選びやすくなります。
12項目をすべて載せる必要はなく、採用したい人が入社判断に使うものから選びます。

分類掲載候補一緒に示す条件
会社の姿社員数、採用区分、平均年齢雇用形態、集計日
定着平均勤続年数、新卒採用者と離職者対象年度、対象者
働き方残業、有給休暇、年間休日算出方法、対象期間
両立支援育児休業、柔軟な働き方対象者、利用実績
成長と多様性研修利用、女性管理職割合制度定義、役職範囲

会社の規模や構成を伝える項目

社員数は会社の規模感を伝えますが、正社員だけか、パートや契約社員を含むかで値が変わります。採用区分別の人数を出すなら、新卒・中途の区分と集計期間を添えてください。

平均年齢は分かりやすい一方、職場の雰囲気を一つの値で決めつける材料にもなります。全社平均だけでなく、募集職種に近い部門の年代構成を示せるなら、応募者は配属後の姿を想像しやすくなります。

定着や成長を伝える項目

平均勤続年数や新卒採用者の定着状況は、入社後の長期的な働き方を考える手がかりです。
ただし、創業から日が浅い会社では平均勤続年数が短く出るため、その理由まで説明できれば、弱点ではなく会社の現在地として伝えられます。

研修やメンター制度は「制度あり」だけでは利用実態が分かりません。対象者、実施頻度、参加者数など、運用の事実を出せる範囲で添えると、入社後の育成を具体的に判断できます。

働き方や両立支援を伝える項目

月平均の所定外労働時間、有給休暇の取得状況、育児休業の取得状況は、働き方を考える人にとって関心の高い情報です。厚生労働省の職場情報総合サイトでも、企業が公表する職場情報の項目として扱われています。

リモートワークやフレックスタイムを数字にするなら、制度の利用可否ではなく実績を考えます。「利用可能な社員の割合」「対象部署」「平均利用日数」など、応募者が自分にも適用されるか判断できる単位にしてください。

選定最初は5〜8項目でも十分

応募者の判断に効き、社内で定期更新できる項目を先に選びます。更新できない12項目より、説明と更新が続く6項目のほうが採用情報として役立ちます。

出典: 厚生労働省「職場情報総合サイト 掲載情報一覧」

数字で見る採用サイトに必要な4つの注記

同じ数字でも、条件が違えば意味が変わります。数字で見る採用サイトでは、基準日・対象範囲・定義・補足の4点を一つのセットとして扱います。

基準日

いつ時点、どの期間の実績かを示す。

対象範囲

雇用形態、部門、職種などの範囲を示す。

定義

分子、分母、除外条件などを明確にする。

補足

数字が動いた背景や例外を短く説明する。

基準日と対象範囲を書く

社員数なら「2026年4月1日時点」、有給休暇なら「2025年度実績」のように、点の数字か期間の数字かを明確にします。更新日だけでは、どの期間を集計した値なのか分かりません。

対象範囲には、正社員のみか、全雇用形態を含むか、全社か特定部門かを書きます。
複数拠点がある会社では、本社だけの値を全社実績のように見せず、比較に必要な母集団を明らかにしてください

定義と算出方法をそろえる

「有給取得率」や「育児休業取得率」は、分子と分母の置き方で値が変わります。採用サイト、求人票、社内資料で定義が異なると説明が破綻するため、人事が管理する正式な定義を共通化します。

平均値には偏りもあります。特定部門の人数が多い、繁忙期が一部に集中する、新しい制度を導入した直後など、判断に影響する事情は補足します。詳細を全部書く必要はありませんが、数字が一人歩きしない最低限の文脈は残してください。

記載例月平均所定外労働時間8.4時間
2025年度、正社員を対象に算出。部署・繁忙期により差があります。

出典: 厚生労働省「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」第3版

応募者に誤解させない数字の見せ方

採用サイトの数字で見る会社では、数字の大きさよりも比較条件がそろっているかが大切です。小さな注記をページ末尾へまとめるだけでは、スマートフォンで数字と条件が離れてしまいます。

避けたい見せ方改善する見せ方
社員数120名基準日と雇用形態を併記
残業は少なめ期間、対象、平均値を併記
育休取得率のみ対象者数と定義を併記
制度利用可能利用実績と対象部署を併記
数字だけを大きく表示数字の直下に注記を配置

全社平均だけで応募職種を説明しない

全社平均は全体像をつかむには便利ですが、応募者が知りたいのは自分が配属される可能性のある職場です。可能なら部門、職種、勤務地、採用区分など、応募者に近い単位でも示します。

細かく分けると個人を推測できる少人数組織では、無理に公開してはいけません。
その場合は「部門別の公表は個人特定を避けるため行っていません」と添え、選考中の説明で補うことで、透明性と個人情報保護を両立させます。

低い数字を隠さず改善の文脈を添える

見栄えのよい数字だけを集めると、採用サイト全体が広告のように見えます。現時点で改善余地のある数字は、過去からの推移、目標、実施中の取り組みと一緒に示せます。

たとえば平均勤続年数が短いなら、創業年、採用拡大の時期、定着に向けた施策を事実の範囲で補足します。将来の改善を約束するのではなく、現在行っていることと次の更新時期を示すのが安全です。

回避見栄えのために母集団や期間を変えない

項目ごとに都合のよい対象者や期間を選ぶと、ページ内で比較条件がばらばらになります。定義を先に決め、その定義で出た数字を掲載する順番を守ってください。

数字で見る採用サイトを公開する前の確認手順

数字で見るページは、Web担当者だけで作ると集計定義の確認が抜けます。人事・労務が数字を確定し、広報・制作担当が見せ方を整え、最終的に責任者が公開範囲を確認する流れにします。

  • 人事・労務: 元データ、対象期間、算出方法を確認する
  • 現場責任者: 募集職種の実態と大きなずれがないか確認する
  • 広報・制作: 数字と注記が同じ画面で読めるか確認する
  • 経営・責任者: 公開範囲と説明責任を確認する
  • 採用担当: 求人票、面接説明、採用サイトの表現を照合する

採用サイトと求人票で、休日数や働き方の条件が食い違うと応募者は不安になります。募集要項側の確認には、求人票で仕事内容と条件を正確に伝える書き方も利用できます。

公開前に元データまでたどれる状態にする

ページに出す数字ごとに、元となるファイル、管理部署、確認者、基準日を台帳へ残します。後から数字を直すときに「前回はどう計算したか」が分からなくなると、更新のたびに定義が変わる事故が起きます。

社員の写真やインタビューと数字を組み合わせる場合も、説明の整合を見ます。採用サイトの社員紹介を設計する際は、社員インタビューの質問設計と見せ方を先に決めると、数字だけでは分からない働き方を補えます。

確認公開ボタンを押す前の最終質問

「応募者がこの数字を別の意味に受け取る余地はないか」「面接で根拠を尋ねられて説明できるか」。この2問に答えられない数字は、注記を足すか掲載を見送ります

採用サイトで数字を読みやすくデザインするコツ

数字で見る会社はカードを並べるだけでも作れますが、大きな数字と小さな注記を離すと、スマートフォンでは条件を読み落としやすくなります。
そのため、数字、項目名、対象期間、注記を一つのまとまりにしてください。

色やイラストで賑やかにする前に、見出しの階層、文字サイズ、余白、カードの順番を整えます。似た項目をグループ化し、会社の姿、働き方、成長、両立支援のように並べれば、応募者は必要な情報を探しやすくなります。

  • 数字と注記を同じカード内に置く
  • 単位を数字の近くに表示する
  • スマートフォンで注記が読める文字サイズにする
  • 色だけに意味を持たせず、項目名を文字で書く
  • 重要度の低い項目を無理に詰め込まない

数字だけで会社の魅力を完結させる必要はありません。数字の背景を社員の言葉で補う方法は、採用サイトに社員インタビューが必要かを判断する記事で詳しく整理しています。若手採用を重視する場合は、若手に届く採用サイトの情報設計も合わせて考えると、ページ同士の役割が明確になります。

メモカードの数が多い場合は、最初に応募者が知りたい項目を置き、補足的な項目は後半へ回します。情報量ではなく、読む順番を設計してください。

数字で見る会社を古くしない更新ルール

採用サイトの数字は公開した日から古くなり始めるため、更新担当と頻度を決めずに公開すると、数年前の社員数や取得実績が残り続けます。
古い数字を最新のように見せない運用まで先に決めてください。

年1回の定期更新と変更時の臨時更新を分ける

社員数や平均年齢などは基準日を決めて定期更新し、休日制度や勤務制度など条件が変わった項目は臨時更新します。ページ末尾には、最終更新日と次回更新予定を表示すると管理しやすくなります。

  1. 収集: 管理部署が元データをそろえる
  2. 照合: 前回と同じ定義か確認する
  3. 承認: 公開値と注記を責任者が確認する
  4. 記録: 更新日、確認者、次回予定を台帳へ残す

前年度から大きく変わった数字は、入力ミスだけでなく組織変更や対象範囲の変更も確認します。定義が変わった場合は、単純な前年比較をせず、注記で変更点を説明してください。

運用更新できる設計が完成形

公開時の見栄えだけでなく、翌年に同じ手順で更新できるかまで確認します。担当者が変わっても定義を再現できる台帳が、数字で見る会社の信頼を支えます。

採用サイトの数字で見る会社に関するよくある質問

Q数字で見る会社には何項目くらい載せればよいですか?

A決まった数はありません。応募者の判断に必要で、社内で継続更新できる項目を優先してください。最初は5〜8項目程度に絞り、必要に応じて追加する方法でも十分です。

Q平均残業時間は全社平均だけでもよいですか?

A全社平均を載せる場合は、対象期間、対象となる雇用形態、部署による差があることを添えてください。可能で個人を特定しない範囲なら、募集職種に近い部門の情報も役立ちます。

Q良くない数字は掲載しないほうがよいですか?

A応募判断に関わる情報を都合だけで隠すのは避けます。現状の数字に加え、背景、推移、現在実施している改善策、次の更新時期を事実の範囲で説明してください。

Q数字は毎年更新しなければなりませんか?

A項目ごとに適切な頻度は異なります。社員数などは基準日を決めて定期更新し、制度や労働条件が変わった項目は臨時更新します。最終更新日と次回予定も表示すると管理しやすくなります。

Q社員が少ない会社でも数字で見るページは作れますか?

A作れます。ただし、細かな区分で個人を推測できる場合は集計単位を広げるか、掲載を見送ります。人数の多さではなく、応募者の判断に役立つ事実を選ぶことが大切です。

Q採用サイト制作会社には何を渡せばよいですか?

A掲載候補の数字だけでなく、元データ、対象期間、対象範囲、算出方法、公開可否、確認担当者を渡してください。募集要項や社員インタビューとの整合も一緒に確認すると手戻りを減らせます。

結論判断できる数字を、説明できる形で載せる

数字で見る会社は、採用サイトを華やかにする飾りではなく、応募者と会社の認識をそろえるための共通資料です。項目選びから注記、社内確認、更新までを一つの運用として設計してください。

自社でどの数字を出せるか、社員インタビューや募集要項とどう組み合わせるかまで整理すると、採用サイトの構成は会社ごとに変わります。ノーサイドでは、採用ターゲットの整理からコンテンツ設計、公開後の更新方法まで一緒に検討できます。社内だけでは公開範囲を決めきれない場合は、お問い合わせフォームからご相談ください。