Google広告の広告費用は最低でもいくらかけるべきなのか?実際の事例も合わせて紹介

Google広告の適正予算を3変数から逆算する構造図

「Google広告は最低でもいくらかければ意味があるのか」。広告を始める前に、多くの方が最初にぶつかる疑問だと思います。月約3万円で十分なのか、それとも約10万円は必要なのか。判断材料がないまま金額だけを決めると、あとで「使ったのに何も分からなかった」という結果になりがちです。

この記事では、「最低でもいくら」という問いに業種と配信エリアの観点から答えたうえで、実際に葬儀社のGoogle広告を運用してきた経験をもとに、予算の決め方を具体的に整理します。読み終えたあとに、自社の場合の最低ラインを自分の言葉で説明できる状態を目指しています。

目次

Google広告は「最低でもいくら」かけるべきか|先に結論

先に結論をお伝えします。Google広告には、技術的な最低出稿金額の制限はありません。Google公式のヘルプでも予算の下限は設けられておらず、理論上は1日数百円からでも出稿できます。

ただし、これは「いくらでも成果が出る」という意味ではありません。実務的に意味のある最低ラインは、業種と配信エリアによって大きく変わります。同じ月約5万円でも、競合の少ない地域サービスなら十分なデータが取れる一方、競合の激しいジャンルでは1日数アクセスで終わってしまうこともあります。

その前提のうえで、ひとつの目安を挙げます。スモールビジネスとして広告を立ち上げるなら、まずは月額約5万円程度の予算を確保するのが現実的です。これは筆者がクライアントの広告運用を支援してきた経験からの実務的なラインで、Googleが定めた最低額ではありません。

一律の「正解額」が出せない理由

なぜ「最低◯万円」と一律に言えないのか。理由は、Google広告のクリック単価が固定ではなく、毎回のオークションで決まるからです。

狙うキーワードの月間検索ボリュームが大きいほど、入札する競合が増え、1クリックあたりの単価が上がります。たとえば月約3万円の予算で、競合の多いジャンルに出稿したとします。その場合、1クリックが約500円や約1,000円になることも珍しくありません。

仮にクリック単価が約1,000円なら、月約3万円は1日あたり約1,000円。月約3万円かけているのに、1日あたり1アクセスしか取れないという状況も起こり得ます。これでは広告がうまくいっているのかどうか、判断する材料すら集まりません。

Google広告のCPCがオークションで変動する因果図
クリック単価はオークションで決まるため同じ予算でも成果が変わる

この記事で扱う範囲
Google広告(Google Ads)には検索広告・ディスプレイ広告・YouTube広告・ショッピング広告・P-MAXなど複数の種類があります。この記事では、中小企業や地域ビジネスの集客で使う頻度が高い「検索広告(リスティング広告)」を中心に、費用の考え方を解説します。

Google広告の費用が決まる仕組み|課金形態と「日予算」の落とし穴

適切な予算を考えるには、まず費用がどう発生するのかを押さえておく必要があります。ここを飛ばすと、想定外の請求や、効果の出ない使い方につながりやすくなります。

課金は「クリックされた分だけ」が基本

Google広告の検索広告は、広告がクリックされたときにだけ費用が発生する「クリック課金(CPC)」が基本です。検索結果に広告が表示されただけでは費用はかかりません。

課金の方式は広告の種類や目的によって分かれます。代表的なものを整理します。

Google広告の主な課金方式

課金方式費用が発生するタイミング主に使われる広告
CPC(クリック課金)広告がクリックされたとき検索広告・ショッピング広告
CPM(表示課金)広告が1,000回表示されるごとディスプレイ広告・動画広告
CPV(動画視聴課金)動画広告が一定時間視聴されたときYouTube広告
CPA(コンバージョン課金)問い合わせや購入が発生したときP-MAXなど自動最適化型

検索広告で集客する場合は、まずCPCを理解しておけば十分です。表示されてもクリックされなければ費用ゼロという点が、検索広告のコスト感をつかむ出発点になります。

「日予算」と月額の請求額はイコールにならない

Google広告の管理画面で設定するのは、月額ではなく「1日あたりの上限額(日予算)」です。「月約10万円」と直接入力する欄はありません。

ここで多くの方が混乱します。日予算と、実際の月額請求がぴったり一致しないからです。

超過配信(オーバーデリバリー)の仕組み
Googleの公式ヘルプによると、1日の支出は日予算の最大2倍まで上振れすることがあるとされています。検索が多い日に積極的に配信するための仕組みです。
ただし月間の請求額は「日予算 × 30.4日」の範囲に収まるよう調整されるとされています。日予算を約1,000円に設定した場合、月の上限はおよそ約3万円台前半に収まる計算です。

実務でよくあるのは、「月約10万円のつもりで管理画面に約10万円と入れてしまった」という設定ミスです。日予算に月額をそのまま入れると、当然ながら桁違いの支出になります。

安全な日予算の決め方(筆者の実務上の目安)
日予算 = 月額の希望予算 ÷ 30.4 × 0.85前後
例:月額約10万円に収めたい場合
100,000 ÷ 30.4 × 0.85 ≒ 日予算 約2,800円
0.85を掛けるのは、超過配信があっても月の想定内に収めるための安全マージンです。

日予算別の月額広告費上限の棒グラフ
日予算×30.4日が月額の上限目安になる

品質スコアが高いとクリック単価は下がる

同じキーワードに出稿していても、支払うクリック単価は会社ごとに違います。その差を生むのが品質スコアです。

品質スコアは、推定クリック率・広告文の関連性・ランディングページの利便性という3つの要素でGoogleが評価し、10段階で表示されます。品質スコアが高い広告は、同じ掲載順位をより安いクリック単価で獲得しやすくなる傾向があります。

なお、品質スコアの正確な計算式はGoogleが公開していません。「この式で単価が決まる」と紹介されることもありますが、実際はオークションごとに変動する多数の要素で決まるため、固定の公式として扱うのは避けたほうがよいでしょう。

覚えておきたいのは、広告費を抑える方法は「入札額を下げる」だけではないということです。広告文とランディングページの質を上げれば、同じ予算でもクリック数を伸ばせる余地があります。

品質スコア3要素がCPC低下につながる構造図
品質スコアを上げればクリック単価を下げられる可能性がある

配信エリアで最適額は変わる|葬儀社の運用事例から考える

ここからは、実際の運用事例をもとに「最低でもいくらかけるべきか」を具体的に考えます。筆者がGoogle広告とメタ広告(FacebookやInstagramへの広告)の両方を支援してきたなかで、検索流入を狙うGoogle広告について、葬儀社のケースを例に解説します。なお、メタ広告の費用感や仕組みについてはMeta広告とは何かをメリットとデメリットとともに解説した記事で整理しています。

葬儀社の広告で最終的なゴールになるのは、葬儀に関する相談を受けることです。さらに厳密に言えば、相談を受けて申し込みをいただき、実際に費用をお支払いいただくところまでが、「広告を使った売上」という観点でのゴールになります。
(もちろん、本質的にはお支払いをいただいた後のフォローなども業種問わず重要です)

「誰に・何を・どこに発信するか」の3つの観点

葬儀社というサービスの特性を踏まえると、広告設計で特に重要になるのは次の3点です。

  • 広告は誰に発信するのか(ターゲットの設定)
  • どのような内容を発信するのか(訴求内容の設計)
  • どのエリアに配信するのか(地理的ターゲティング)

このうち、特に予算の話と直結するのが3つ目の「どのエリアに配信するのか」です。葬儀のように地域に根ざしたサービスは、配信エリアの設計が広告費の最適額をほぼ決めると言ってもよいほどです。

エリアは都道府県、さらに市町村まで細分化する

筆者が携わっているクライアントは、秘密保持契約の関係で場所はお伝えできませんが、複数の都道府県で事業を展開されています。こうした場合、広告の配信エリアは「県全体」のような大きな単位ではなく、都道府県、さらには市町村まで細分化して設計します。

適切な場所に、適切なターゲットがいるエリアを見極め、そのエリアに適切な内容の広告を出す。この3つがそろって初めて、広告費が成果に変わります。逆に言えば、エリア設計が雑なまま予算だけ増やしても、効率は上がりにくいということです。

複数エリアに予算を薄く配ると、どこも中途半端になる

エリアの話は、そのまま「いくらかけるべきか」の話につながります。具体例で考えてみましょう。

仮に、月の広告費が約20万〜30万円で、配信対象になり得るエリアが6カ所あるとします。これを均等に配ると、1カ所あたり月約5万円しか割けません。

予算を薄く配ると起きること
クリック単価が高いエリアでは、月約5万円だと1日あたりのアクセスがごくわずかになります。6カ所すべてに広告を出しても、どのエリアも「データが溜まらず、改善できない」状態に陥りがちです。
結果として、月約20万〜30万円を使っているのに、成果につながった実感が持てないという事態になります。

ここで大切なのは、配信できるエリアが6カ所あっても、必ずしも全部に出す必要はないという発想です。会社によっては事業別やエリア別の収支表を作っているはずなので、まずは売上が大きい拠点に絞るのが現実的な判断になります。

広告予算の集中配分と分散配分を比較する天秤図
予算を薄く分散するより1〜2エリアに集中するほうが改善サイクルが回る

たとえば月約30万円の予算なら、最も大きい拠点1カ所に集中させるのか、上位2カ所に約15万円ずつ配るのか、あるいは約20万円と約10万円に分けるのか。ここはケースバイケースです。筆者の場合も、クライアントと密に打ち合わせをしながら、予算の最適な配分を一緒に検討していきます。

ECサイト・全国対象の物販は「自社の周辺エリア」からテストする

ここまでは葬儀社という地域密着型のサービスを例にしましたが、業種が変われば考え方も変わります。たとえばECサイトでの物販なら、基本的に全国の人が対象になります。

全国対象の場合でも、いきなり全国に配信するのではなく、まずは自社のある都道府県と、その周辺エリアで一度試すことをおすすめします。

傾向として、人口に比例して東京・大阪・名古屋などの売上は自然と大きくなります。ただ、これまで運用を見てきたなかでは、自社に近いエリアの売上も比較的高くなりやすいと感じています。配送のしやすさや、地域での認知が影響しているのかもしれません。もし配信エリアの設計で迷ったら、まず自社の周辺から出稿してみるのがよいでしょう。

最初から月約100万〜200万円ほどの予算がある場合は、全国を設定したうえで、クリック率や実際にクリックの多いエリアを分析し、エリアの最適化を図ります。場合によってはエリアごとに広告キャンペーンを分け、予算も別々に管理して配信します。こうしたテストと分析を重ねることで、広告の成果は大きく変わってきます。

「分析を回せる広告費」はいくらか|データが読める最低ライン

「最低でもいくら」という問いに対して、筆者がもうひとつ判断軸にしているのが、「分析を回せるだけのデータが取れる額かどうか」です。

先ほど触れたとおり、月約3万円・1日約1,000円では、競合の多いジャンルだと1日1アクセスということも起こります。これでは何が良くて何が悪かったのか、判断できません。広告費は「成果を買うお金」であると同時に、「次の改善のためのデータを買うお金」でもあります。

1日あたりの予算で「分析のしやすさ」が変わる

筆者はこれまで、1日あたりの広告費を約5,000円、約1万円、約2万円と変えながら運用してきました。その経験からの肌感覚を、目安として整理します。

1日予算別の「データの読みやすさ」(筆者の実務感覚)

1日の予算1ヶ月の換算分析のしやすさ(目安)
約1,000円約3万円競合の多いジャンルではクリックが少なく、判断材料が集まりにくい
約5,000円〜1万円約15万〜30万円データは溜まり始めるが、変化を読み切るには時間がかかる
約2万円約60万円クリック数やクリック率の動きが速く把握でき、改善を回しやすい

個人的な感覚では、1日あたり約2万円の広告費があると、クリックの動きをスピーディーに読めると感じています。これはあくまで筆者の経験上の目安であり、すべての業種に当てはまるわけではありません。ただ、改善のサイクルを速く回したいなら、ある程度まとまった額を確保する意味は大きいということです。

1日予算別の月額広告費と分析密度の棒グラフ
日予算が大きいほどデータが溜まり改善サイクルが速くなる

事業のフェーズで「かけるべき額」は変わる

では具体的にどのくらいか。事業のフェーズごとに、筆者が目安としている水準を挙げます。

  • 立ち上げ期(スモールビジネス):まず月額約5万円程度。1エリアに絞ってデータを取り始める段階
  • スケール期:事業が伸びている場合、1エリアあたり月額約60万〜80万円をかけるケースもある(1日あたり約2万円換算)
  • キャンペーン期:繁忙期や大型キャンペーンでは、月額約300万〜400万円規模の広告費を使うこともある

金額の幅が大きく見えるかもしれませんが、共通しているのは考え方です。まずは最低限データを取りやすい広告費を出し、その結果を見て分析を繰り返す。この繰り返しのなかで、適切な広告費が見えてきます。同時に、「次はいくらにすべきか」という予算そのものの最適化もできるようになります。

事業フェーズ別Google広告予算の階段型ステップ図
事業フェーズに応じて予算を段階的に引き上げるのが現実的

広告運用の作業面は、AIにある程度任せられる時代になりました。ただ、AIがいくら進化しても、感情に訴える面と機能的な面の両方を論理的に組み立てて配信する判断は、まだ人の手が必要だと感じています。専門知識のある人が一つひとつ確認しながら方向性を決め、その指示に沿った作業をAIに任せて効率化する。この組み合わせが現実的です。

予算の決め方|目標から逆算する

ここまでは事例ベースで「かけるべき額の幅」を見てきました。次は、自社の数字から予算を決める方法です。考え方の軸は「目標から逆算する」こと。これに尽きます。

逆算の基本式

予算逆算の基本式はとてもシンプルです。

必要な月額広告費 = 月間の目標コンバージョン数 × 目標CPA
CPA(コンバージョン獲得単価)とは、問い合わせや成約を1件得るためにかけてよい広告費の上限のことです。

たとえば月に5件の新規顧客を獲得したい、1件あたり約5万円までなら広告費をかけてよい、と決めれば、必要な月額広告費は「5件 × 約5万円 = 約25万円」と算出できます。

許容CPAは「粗利」から決める

逆算で迷うのは「目標CPAをいくらに設定するか」でしょう。ここは感覚ではなく、顧客1件あたりの粗利から決めるのが基本です。業種によって許容できるCPAは大きく変わります。

業種による許容CPAの違い(計算例)

項目BtoB(法人向けサービス)物販EC(低単価商品)
顧客1件の粗利約50万円約3,000円
広告費に回せる割合20%20%
許容CPA約10万円約600円
月間の目標件数3件100件
必要な月額広告費約30万円約6万円

同じ「広告費に回せる割合20%」でも、粗利が違えば許容CPAはまったく変わります。粗利の小さい商材で許容CPAを大きく取ると、コンバージョンが出ているのに赤字という運用になりかねません。逆算するときは、必ず自社の利益構造から考えてください。

BtoBと物販ECの許容CPA逆算比較表
粗利が違えば許容CPAも必要広告費もまったく変わる

小規模なら、まず「データを貯める段階」と割り切る

逆算式はシンプルですが、運用を始めたばかりの段階では、そのまま機能しないこともあります。Googleの自動入札(目標CPAなどをAIが追いかける機能)は、ある程度のコンバージョン実績が溜まってから精度が安定するとされているためです。

コンバージョンがまだ月数件という段階では、目標CPAを設定しても実績が大きくぶれることがあります。最初の数ヶ月は「コンバージョン数を貯める段階」と割り切り、実績が溜まってきたら逆算式で予算を引き締めていく。この順番が現実的です。

予算の決め方には、目標CPAからの逆算以外にも「まず少額でテストする」「段階的に増やす」といった型があります。型ごとの使い分けは、Google広告の費用はいくら?|少額から始めて効果を出すための予算の決め方で詳しく整理していますので、あわせて参考にしてみてください。

キャンペーンの種類と費用感|検索・ショッピング・P-MAXの使い分け

Google広告には複数のキャンペーン種類があり、どれを選ぶかでも費用感は変わります。「種類別に相場はいくらか」と気になるところですが、固定の相場を覚えるより、目的に応じた使い分けを理解するほうが実務的です。

中小企業や地域ビジネスの集客では、まず検索広告を主軸にするのが基本です。検索広告は「すでに探している人」、つまり顕在ニーズに当たる広告なので、限られた予算でも成果につながりやすいからです。

Google広告キャンペーン種類の選択フローチャート
検索広告を起点にして段階的にキャンペーンを追加する判断フロー

ショッピング広告とGoogle Merchant Center

商品を販売するECサイトなら、検索広告に加えてGoogleショッピング広告も選択肢になります。検索結果に商品画像と価格が並んで表示される、あの広告です。出稿前に強みと弱みを把握しておきたい場合は、Googleショッピング広告のメリット・デメリットを解説した記事もあわせて参考にしてみてください。

ショッピング広告を出すには、商品情報を登録するGoogle Merchant Centerというツールを使います。ここで費用面のポイントになるのが、Google Merchant Centerの利用そのものは無料だという点です。Google公式ページでも、商品の掲載は無料と案内されています。

さらに、2020年10月からは無料リスティングという仕組みが提供されています。Merchant Centerに商品情報を登録するだけで、Google検索の「ショッピング」タブなどに商品を無料で掲載できます。

ショッピング関連の「無料」と「有料」の整理

項目費用位置づけ
Google Merchant Centerの利用無料商品情報を登録する土台。ここがすべての出発点
無料リスティング無料登録した商品を無料の掲載枠に表示。広告費ゼロで露出できる
Googleショッピング広告有料(クリック課金)無料枠より目立つ位置に表示。クリックされた分だけ費用が発生

使い分けの考え方はこうです。まず無料リスティングで土台を作り、露出を増やしたい主力商品にだけ有料のショッピング広告を重ねる。こうすれば、広告費を抑えながら商品を見せられます。ショッピング広告そのものの向き不向きは、Googleショッピング広告のメリットデメリットやおすすめ業種についてで解説しています。

P-MAXの費用感と注意点

P-MAX(パフォーマンスマックス)は、AIが配信先や広告フォーマットを自動で最適化するキャンペーンです。検索・ディスプレイ・YouTube・ショッピングなどをまとめて配信できます。

費用面で押さえておきたいのは、P-MAXはAIの学習に一定のデータ量が必要という性質です。予算が小さすぎると、AIが学習するための材料が集まらず、配信が安定しにくい傾向があります。

P-MAXを使う前に確認したいこと
P-MAXは自動化が進んでいるぶん、コンバージョン計測が正確に設定されていないと、質の低い問い合わせばかり増えるリスクがあります。
まずは検索広告でコンバージョン計測を整え、データが溜まってからP-MAXを検討する。この順番が安全です。

立ち上げ期からいきなりP-MAX一本に絞るより、まず検索広告で顕在ニーズを取りながら計測の土台を作るほうが、少額予算とは相性がよいと考えています。

限られた予算で成果を出すための具体策

予算が限られているなら、「いくらかけるか」と同じくらい「同じ予算でどう効率を上げるか」が重要になります。実務で効果が出やすい具体策を整理します。

  • テールキーワードを完全一致で狙う
    3語以上の具体的なキーワードは、検索数は少なくても競合が薄く、クリック単価を抑えやすい
  • 地域名を組み合わせる
    「(市区町村名)+サービス名」のように地域を絞ると、競合が減りクリック単価が下がりやすい
  • 除外キーワードを設定する
    「無料」「求人」「やり方」など、自社の見込み客が使わない言葉を除外し、無駄なクリックを減らす
  • 品質スコアを意識してLPを整える
    広告文とランディングページの内容を一致させ、品質スコアを上げてクリック単価を下げる
  • 配信エリアを絞る
    薄く広く配るより、売上の見込めるエリアに集中して1エリアあたりの密度を上げる

このなかで見落とされやすいのが、3つ目の除外キーワードです。たとえば有料サービスを提供しているのに「無料」を含む検索で広告が表示されると、「無料でやってもらえると思った」という問い合わせが増えてしまいます。

こうした問い合わせは対応の手間がかかるうえ、成約にもつながりにくい。月に1回は「検索語句レポート」(実際に検索された言葉の一覧)を確認し、見込み客でない人の検索を除外リストに足していく。地味な作業ですが、同じ予算のまま成果の質を上げられる効果的な方法です。

限られた予算で成果を上げる5施策の2軸分類図
CPC削減と無駄クリック排除の両面から予算効率を高める

そして繰り返しになりますが、地域ビジネスで予算が限られているなら、配信エリアを絞ることが最も効きやすいと考えています。6カ所に薄く配って全滅するより、1〜2カ所に集中してデータを溜め、勝ち筋を見つけてから広げる。この順番のほうが、結果的に少ない予算で前に進めます。地域を絞った集客の設計そのものは、地域名+業種で上位表示するホームページ集客の教科書で型を解説しています。

もし自社の業種でいくらが妥当なのか、エリアをどう絞ればよいのか判断に迷う場合は、遠慮なくご相談ください。事業の収支構造を踏まえて、現実的な予算ラインを一緒に整理できます。

Google広告の費用に関するよくある質問

Google広告の費用や予算について、経営者やWeb担当の方からよく寄せられる質問をまとめました。

QGoogle広告は最低でもいくらかければ意味がありますか?

AGoogle広告に技術的な最低出稿金額の制限はなく、理論上は1日数百円からでも出稿できます。ただし意味のある最低ラインは業種と配信エリアで変わります。競合の多いジャンルでは月約3万円程度だと1日数アクセスしか取れず、改善の判断ができません。スモールビジネスの立ち上げ期なら、まず月額約5万円程度を1エリアに絞ってかけ、データを集めながら判断するのが現実的です。

Q月約3万円のGoogle広告でも効果は出ますか?

A月約3万円でも効果が出るかは、クリック単価と配信エリアの広さで決まります。競合が少なく地域を絞ったキーワードならデータが溜まることもありますが、競合の多いジャンルでは1クリック約500〜1,000円になり、月約3万円だと1日1アクセス程度で終わることもあります。月約3万円で始めるなら、テールキーワードと地域名で競合の薄い領域に絞り込むことが前提になります。

Q日予算の設定額と月額の請求はぴったり一致しますか?

Aぴったり一致はしません。Google広告で設定するのは1日あたりの上限額(日予算)です。1日の支出は日予算の最大2倍まで上振れすることがあるとされ、月間では日予算×30.4日の範囲に収まるよう調整されるとされています。月額の希望予算を30.4で割り、さらに0.85前後を掛けて日予算を決めると、想定内に収まりやすくなります。

Q配信エリアが複数ある場合、予算はどう配分すべきですか?

A複数エリアに予算を均等に薄く配ると、どのエリアもデータが溜まらず改善できなくなりがちです。たとえば月約20万〜30万円を6カ所に配ると1エリア月約5万円にしかなりません。配信できるエリアが複数あっても全部に出す必要はなく、事業別やエリア別の収支を見て、売上が大きい拠点に絞るのが現実的です。1〜2カ所に集中してデータを溜め、勝ち筋が見えてから広げる順番がおすすめです。

QGoogle Merchant Centerの料金はいくらかかりますか?

AGoogle Merchant Centerの利用そのものは無料です。Google公式ページでも商品の掲載は無料と案内されています。2020年10月からは無料リスティングという仕組みもあり、商品情報を登録するだけでGoogle検索のショッピングタブなどに無料で商品を表示できます。費用が発生するのは、無料枠より目立つ位置に出すGoogleショッピング広告(クリック課金)を使う場合です。

Q予算を2倍にすれば成果も2倍になりますか?

A予算を増やしても成果が比例して増えるとは限りません。予算が少ないうちは確度の高いユーザーからクリックや成約が生まれますが、予算を増やすと確度の低いユーザーにも広告が表示され、クリックは増えてもコンバージョン率が下がりやすくなります。増額するときは、CPA(顧客獲得単価)が悪化していないかを毎月確認しながら、段階的に進めるのが安全です。

QECサイトの広告は最初から全国に配信すべきですか?

A全国対象の物販でも、いきなり全国配信ではなく、まず自社のある都道府県と周辺エリアでテストするのがおすすめです。人口比で東京・大阪・名古屋の売上は大きくなりますが、自社に近いエリアの売上も比較的高くなりやすい傾向があります。月約100万〜200万円ほどの予算があれば全国を設定し、クリックの多いエリアを分析してエリアごとに最適化していくとよいでしょう。

まとめ|「最低額」は業種とエリアで決まる。データが読める額から始める

Google広告に技術的な最低出稿金額はありません。だからこそ「最低でもいくらか」は、Googleではなく自社の条件から決める必要があります。決め手になるのは、業種(クリック単価の水準)と配信エリアの設計です。

この記事の要点を整理します。

  • 技術的な最低出稿額はない。ただし意味のある最低ラインは業種とエリアで変わる
  • 立ち上げ期の目安は月額約5万円程度。1エリアに絞ってデータを取り始める
  • 複数エリアに薄く配ると全滅しやすい。売上上位の拠点に絞る
  • 広告費は「データを買うお金」。分析を回せる額から始める
  • 予算は「目標CV数 × 目標CPA」で逆算し、許容CPAは粗利から決める
  • Google Merchant Centerの利用と無料リスティングは無料。有料はショッピング広告から
  • 同じ予算でも、テールキーワード・除外キーワード・エリア集中で効率は上げられる

大切なのは、最初から完璧な予算を当てようとしないことです。まずデータが読める額を出し、結果を見て分析を繰り返す。その過程で、自社にとっての適切な広告費が見えてきます。

Google広告とSEOのどちらから着手すべきか迷っている場合は、Web広告とSEOはどっちが先?|短期で結果を出すか長期で資産を作るかの判断基準もあわせて読むと、集客全体の中での広告費の位置づけが整理しやすくなります。

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