Web制作会社を探し始めると、どの会社のサイトにも実績がきれいに並び、提案資料も洗練されていて、正直なところ違いが分かりにくいものです。
料金も会社によってばらばらで、何を基準に選べばいいのか迷ってしまいます。
そこで効くのが、初対面の打ち合わせで投げかける「質問」です。
同じ質問をしても、会社によって答え方はまったく違います。技術力のある会社は具体的に答え、誠実な会社は分からないことを「分からない」と言える。
逆に、はぐらかす会社や調子のいいことだけを並べる会社は、回答のしかたですぐに見分けがつくものです。
この記事では、初対面のWeb制作会社に何を質問すれば技術力と誠実さを見抜けるのかを、具体的な質問文と「その質問で何を確かめているのか」という意図をセットで整理しました。
読み終えたあとには、複数の制作会社を同じ質問で比べ、自社に合う1社を根拠を持って選べる状態を目指しています。
Web制作会社に質問する前に整理しておく3つのこと
良い質問は、準備があって初めて出てきます。
自社の状況が曖昧なまま打ち合わせに臨むと、質問が抽象的になり、制作会社の答えも抽象的なまま終わってしまいます。質問の精度は、事前準備の精度で決まると考えてください。
難しい資料を作る必要はありません。整理すべきは「目的」「予算と納期」「運用体制」の3つだけです。順番に見ていきます。

自社サイトで「達成したいこと」を言葉にする
最初に決めるのは、サイトで何を達成したいのかです。
「会社案内として体裁を整えたい」のか、「問い合わせや資料請求を増やしたい」のか、「採用の応募を増やしたい」のかで、必要な制作会社のタイプも、聞くべき質問も変わります。
ここが曖昧なまま「とにかく新しくしたい」で進めると、デザインはきれいになったのに問い合わせは増えない、という結果になりがちです。
達成したいことは、1〜2行の文章にできれば十分です。「採用サイトを作り、年間の応募数を今の倍にしたい」くらいの粒度で言葉にしておきます。
そもそも今のサイトを作り直すべきか自体を迷っている段階なら、古いホームページのリニューアル時期で判断基準を整理してから依頼先を探すと、目的がぶれにくくなります。
目的が定まると、質問が具体的になります。
「採用応募を増やしたい」と伝えれば、制作会社が採用サイトの設計をどう考えるかを引き出せます。目的を言わずに「いい感じにしてほしい」と頼むと、当たり障りのない提案しか返ってきません。
予算と納期は「幅」で決めておく
予算は、1円単位で固める必要はありません。「最大でこのくらいまで」という上限と、「できればこの範囲で」という希望を、幅で持っておけば十分です。
参考までに、5〜10ページ程度の小規模なコーポレートサイトであれば、制作費用は約30万円〜80万円あたりが一つの目安とされています。WordPressで構築する場合はおおよそ約20万円〜50万円が目安になるケースが多いです。
ただしこれはあくまで参考値で、ページ数・デザインの作り込み・機能の有無によって大きく変動します。約5万円以下のような極端に安い価格は、1〜5ページ程度の極小規模サイトに限られると考えておくほうが安全です。
納期も同様に「いつまでに公開したいか」をざっくり決めておきます。
展示会や採用シーズンなど、動かせない締め切りがある場合は、その日付を最初に伝えておくと、制作会社のスケジュール感を質問で確かめやすくなります。
誰がサイトを更新するのか、運用体制を決めておく
意外と見落とされがちなのが、公開した後に誰がサイトを更新するのかです。
専任のWeb担当者がいるのか、ほかの業務と兼務する担当者が見るのか、社内に更新できる人がまったくいないのか。この体制によって、制作会社に求めるものが変わります。
- 専任担当がいる:管理画面の使いやすさや、カスタマイズの自由度を質問で確かめる
- 兼務担当が見る:更新作業の簡単さ、操作トレーニングの有無を重点的に聞く
- 社内に更新できる人がいない:制作会社が更新を代行してくれるか、その費用はいくらかを必ず確認する
私自身、これまで中小企業のサイト運用を見てきて感じるのは、運用体制を決めずに作られたサイトは、半年も経たないうちに更新が止まるということです。
「誰が・どのくらいの頻度で・何を更新するのか」を先に決めておくと、打ち合わせで保守体制を的確に質問できます。
Web制作会社の技術力を見抜く質問
ここからが本題です。
技術力は、専門用語の知識を試して測るものではありません。発注者がコードの良し悪しを判断するのは現実的ではないからです。確かめるべきは「自社の課題をどう捉え、技術的にどう解決しようとするか」という思考の筋道です。

「このサイトの課題はどこにあると思いますか」で逆算思考を見る
技術力を見抜くうえで、最も効く質問の一つがこれです。
質問例
「今の弊社のサイトを見て、一番の課題はどこにあると思いますか。もし作り直すとしたら、どこから手をつけますか」
この質問で確かめているのは、要望をそのまま実装するだけの会社か、目的から逆算して構成を提案できる会社かです。
力のある制作会社は、「御社の目的が問い合わせ獲得なら、トップページのこの導線が弱いので、まずここを変えます」というように、課題と打ち手をセットで語ります。
逆に、「ご要望どおりに作ります」「おまかせください」しか言わない会社は注意が必要です。
言われたものを作るだけでは、発注者の考えが浅ければサイトも浅いまま完成してしまいます。プロとして「その目的なら、こうしたほうが成果が出やすい」と提案を返せるかが、技術力と経験の表れになります。
CMSや技術の選定理由を聞く
次に、サイトの土台となる仕組み(CMS)の選び方を質問します。
CMSとは、専門知識がなくてもページを更新できるようにする管理システムのことです。
質問例
「弊社のサイトには、どんな仕組み(CMS)を使う想定ですか。その理由も教えてください」
「公開後、私たちが自分で更新しやすいのは、どんな作り方ですか」
WordPressのような広く使われているCMSにも、STUDIOのようなノーコードツールにも、それぞれ向き不向きがあります。大切なのは、その制作会社が「なぜそれを選ぶのか」を自社の事情に結びつけて説明できるかです。
「うちはいつもこれで作っているので」だけで終わる会社より、「御社は更新頻度が高そうなので、管理画面を整理しやすいこの作り方にします」と理由を言える会社のほうが、技術選定を自社目線で考えています。
専門用語が出てきたら、遠慮なく「それはどういう意味ですか」と聞き返してください。かみ砕いて説明できることも、技術力の一部です。
セキュリティとSSL証明書の管理体制を聞く
セキュリティは、専門的すぎて発注者には判断できないと思われがちですが、「どう管理しているか」を聞くだけでも会社の姿勢は見えます。
仕組みの中身ではなく、管理の体制を尋ねるのがコツです。
質問例
「SSL証明書やCMSの更新は、どのように管理していますか。自動で更新される仕組みはありますか」
「もし不正アクセスやサイト改ざんが起きたら、どう対応してもらえますか」
サイトの通信を暗号化するSSL証明書には有効期限があり、2026年3月以降、SSLサーバ証明書の最大有効期間は199日(約6.5か月)に短縮されました。さらに今後、段階的に短縮される予定だと公式に発表されています。
有効期限が切れると、ブラウザが「保護されていない通信」と警告を出し、訪問者が離脱する原因になります。更新の頻度が上がるほど、手動管理では更新漏れのリスクが高まります。
だからこそ、「証明書の更新を自動化しているか」「漏れがないよう誰が管理するか」を答えられる会社は、運用後のことまで考えていると判断できます。
逆に「期限が来たら都度連絡します」程度の答えしか返ってこない場合は、保守の体制が手薄な可能性があります。
SEOへの考え方を聞く(順位保証をしないか)
集客を目的にサイトを作るなら、検索エンジン対策(SEO)への考え方も質問しておきます。
ここは誠実さと技術力が同時に出やすい論点です。
質問例
「制作の段階で、SEOのために最低限やってもらえることは何ですか」
「公開後、どのくらいの期間で、どんな成果を見ていけばよいですか」
レスポンシブ対応やSSL化、適切な見出し構造といった基礎的な内部対策は、今では標準的に含まれているべき要素です。
本格的なSEO施策を別途依頼する場合、基礎的な内部対策の費用は約10万円〜30万円が一つの目安とされますが、内容によって幅があります。そのため「その金額で具体的に何をしてくれるのか」を必ず確認してください。
「必ず1位にします」「すぐ順位が上がります」と断言する会社は警戒してください。
検索順位は検索エンジン側の評価で決まるもので、制作会社が保証できるものではありません。誠実な会社は「順位は保証できませんが、こういう改善を続けます」と正直に答えます。
Web制作会社の誠実さ・信頼性を判断する質問
技術力と並んで大事なのが、誠実さです。
誠実さは人柄の話に聞こえますが、質問への答え方でかなり具体的に見抜けます。ポイントは、都合の悪いことを先に説明してくれるかです。

見積もりに「含まれるもの・含まれないもの」を聞く
後からのトラブルは、見積もりの範囲が曖昧なまま契約したときに起きやすいものです。
だからこそ、見積もりについては「金額」よりも「範囲」を質問します。
質問例
「この見積もりに含まれているものと、含まれていないものを教えてください」
「原稿の文章や写真の撮影は、どちらが用意する想定ですか」
「公開後に修正が出た場合、追加費用が発生するのはどんなときですか」
安く見える見積もりほど、原稿作成や写真撮影が別料金になっていることがあります。これらを含めた総額で比べないと、結局どちらが高いのか分かりません。
見積もりは「金額」ではなく「同じ範囲」で比べるのが鉄則です。
誠実な会社は、聞かなくても「ここは別料金です」「ここから先は追加になります」と先に説明します。逆に、範囲を曖昧にしたまま「総額でこのくらいです」とだけ言う会社は要注意です。
納品後の運用・保守体制を聞く
サイトは「公開して終わり」ではありません。
むしろ公開してからのほうが長く付き合うことになります。保守の体制は、契約前に必ず質問しておきます。
質問例
「公開後の保守は、月額いくらで、何をしてもらえますか」
「サイトに不具合が出たとき、連絡してからどのくらいで対応してもらえますか」
「保守契約をしない場合、更新やトラブル対応はどうなりますか」
小規模なサイトの保守費用は、月額約3,000円〜15,000円(年間では約3.6万円〜18万円)が一つの目安とされています。ただしこれはサポート内容によって大きく変わる参考値です。
月額が安いプランは、セキュリティ更新だけでコンテンツの更新は対象外、というケースもあります。金額の安さではなく「その金額で何が含まれるか」で比べてください。
保守費用の内訳や無駄なコストの減らし方は、HP保守費用の相場と内訳で詳しく整理しています。
経験上、保守の説明をていねいにしてくれる会社は、長く付き合っても安心できることが多いです。
保守の話を後回しにしたがる会社は、「作るところまでが仕事」という意識かもしれません。
ドメイン・サーバー・著作権が自社のものになるか聞く
これは見落とされがちですが、トラブルになると影響が大きい質問です。

質問例
「ドメインとサーバーの契約は、自社名義にできますか。管理画面のIDとパスワードはもらえますか」
「制作したデザインやデータの著作権は、最終的にどちらのものになりますか」
「もし御社との契約を解約する場合、サイトのデータはそのまま引き継げますか」
ドメインやサーバーが制作会社の名義のままだと、契約を切ったときにサイトを動かせなくなったり、移転に大きな手間がかかったりすることがあります。
すべての名義トラブルが悪意によるものではありませんが、後から困らないために、所有権の所在は最初に確認しておくべきです。
ドメインの有効期限管理を怠るとサイトの乗っ取りにつながることもあるため、ドメインの有効期限管理と自動更新設定もあわせて確認しておくと安心です。
あわせて、問い合わせフォームや会員機能を作る場合は、個人情報の取り扱いについても聞いておくと安心です。
制作会社にデータを預けることになるため、「個人情報の管理はどうしているか」「契約書に取り扱いの取り決めを入れてもらえるか」を確認しておきます。誠実な会社は、この質問にも具体的に答えられます。
制作実績を「課題と解決」で語れるか聞く
実績は、どの制作会社もサイトに並べています。
ただ、見るべきは「見た目のきれいさ」ではなく「何を解決したか」です。実績ページを眺めるだけでなく、打ち合わせで直接質問します。
質問例
「弊社と近い業界や規模の制作実績はありますか。そのとき、どんな課題があって、どう解決しましたか」
「その案件で、特に意識した点や工夫した点を教えてください」
力のある会社は、「この会社は問い合わせが少ないのが課題でした。だから資料請求の導線をこう設計しました」というように、課題と打ち手を具体的に語れます。
一方、「デザインにこだわりました」「おしゃれに仕上げました」という感想だけしか出てこない場合、成果よりも見た目を優先する会社かもしれません。
銀行員時代に法人営業をしていた経験からも感じますが、仕事のできる相手は「何が問題で、どう手を打ったか」を筋道立てて話せます。これはWeb制作会社にもそのまま当てはまります。
実績の見極め方をさらに掘り下げたい場合は、業種別の視点を加えたホームページ制作会社の選び方も参考になります。
制作会社の規模別(フリーランス・中小・大手)に変えるべき質問
同じ「Web制作会社」でも、フリーランス・少人数の制作者、中小の制作会社、大手・総合制作会社では、強みも弱みも違います。
規模によって不安になりやすいポイントが変わるため、聞くべき質問も変えるのが効率的です。

先に一つ、よくある誤解を解いておきます。「規模が大きい会社ほど安心」とは限りません。
大切なのは会社の人数ではなく、実際に自社を担当する人の経験と判断力、そしてコミュニケーションの取りやすさです。規模はあくまで「どこに不安が出やすいか」を知るための目安として使ってください。
フリーランス・少人数に依頼するとき
フリーランスや少人数の制作者は、費用を抑えやすく、担当者と直接やり取りできるのが強みです。意思決定も早く、柔軟に動いてもらいやすい傾向があります。
一方で不安になりやすいのは、長期的なサポートの安定性です。体調や繁忙、廃業などで対応が止まったときにどうなるかを、質問で確かめます。
中小の制作会社に依頼するとき
中小の制作会社は、費用と対応力のバランスが取りやすいのが強みです。複数人で動くため、担当者一人に何かあっても対応が続きやすく、業種に特化した実績を持つ会社も多くあります。
確かめたいのは、実際に自社を担当するのは誰かです。営業担当の印象が良くても、制作する人が別なら、その人の経験を質問で確認します。
大手・総合制作会社に依頼するとき
大手や総合制作会社は、大規模なサイトや複雑なシステム連携に強く、組織として品質管理の仕組みを持っているのが強みです。
一方で、小規模な案件だと費用が割高になりやすく、担当者との距離が遠く感じられることもあります。意思決定に時間がかかる場合もあるため、進め方を質問で確認します。
規模タイプ別の特徴と重点的に聞くべき質問
| タイプ | 強み | 不安が出やすい点 | 重点的に聞く質問 |
|---|---|---|---|
| フリーランス・少人数 | 費用を抑えやすい/担当と直接やり取り/柔軟でスピード感がある | 長期サポートの安定性 | 対応が止まったときの引き継ぎ・更新方法 |
| 中小の制作会社 | 費用と対応力のバランス/業種特化の実績 | 担当者の経験と継続性 | 実際の担当者は誰か/途中で替わらないか |
| 大手・総合制作会社 | 大規模・複雑な案件に強い/組織的な品質管理 | 割高さ/担当との距離/意思決定の速さ | 自社規模でも時間をかけてもらえるか/再委託の有無 |
どのタイプにも良さがあります。「規模」で優劣を決めず、自社の案件の大きさと、担当者との相性で選ぶのが現実的です。
回答に出たら危険なサイン(レッドフラグ)
ここまでの質問を投げかけたとき、回答のしかたに危険なサインが出ることがあります。
1つ当てはまったからといって即「悪い会社」とは限りませんが、複数重なる場合は慎重に判断したほうがよいラインです。

危険なサインの例
- 質問に正面から答えず、専門用語ではぐらかす
- 「必ず順位が上がる」「絶対に成果が出る」と成果を断言する
- 見積もりの範囲を聞いても「総額でこのくらい」としか言わない
- デメリットや注意点を一切口にせず、良いことだけを並べる
- 契約や着手を異常に急がせる(「今日決めれば割引します」など)
- ドメインや著作権の質問に対し、明確に答えたがらない
特に注目したいのが、デメリットを語れるかどうかです。
どんな提案にも、必ずトレードオフがあります。「この作り方は更新は楽ですが、デザインの自由度は下がります」というように、不利な面も先に説明できる会社は信頼できます。
逆に、契約を急がせる会社には注意してください。良い制作会社ほど、発注者にじっくり考える時間を渡します。急がせるのは、ほかと比較されたくない事情があるサインのこともあります。
同じ質問への「良い回答」と「危険な回答」の違い
同じ質問でも、答え方で会社の姿勢が分かれます。代表的なものを並べます。
| 質問 | 良い回答の傾向 | 危険な回答の傾向 |
|---|---|---|
| このサイトの課題は? | 具体的な課題と打ち手をセットで語る | 「おまかせください」で具体性がない |
| 検索順位はどうなりますか? | 「保証はできないが改善を続ける」と正直に話す | 「必ず1位にします」と断言する |
| 見積もりの範囲は? | 含まれる/含まれないを先に説明する | 範囲を曖昧にして総額だけ伝える |
| この提案のデメリットは? | トレードオフを正直に説明する | 「デメリットは特にありません」 |
| ドメインは自社名義にできる? | 「もちろんできます」と即答する | 明言を避ける/話をそらす |
この表は、面談後に回答を思い出しながら各社がどちら寄りだったかをチェックするのに使えます。
危険な回答が多い会社は、契約後に「思っていたのと違う」となりやすいので、慎重に見極めてください。
契約後の「思っていたのと違う」を実際に防ぐ伝え方は、制作会社とのトラブル事例と対策で具体的に解説しています。
面談で質問するときの聞き方・順番のコツ
同じ質問でも、聞き方と順番で引き出せる情報が変わります。
尋問のように矢継ぎ早に質問すると相手が身構えてしまうので、自然な流れを意識します。
質問は「ふんわり」から「具体」へ順番に
いきなり細かい料金や契約条件から入ると、警戒した受け答えになりがちです。
最初は「弊社のサイト、どう見えますか」といった広い質問から始め、相手の考え方や人柄が見えてきたところで、見積もりやドメインの具体的な質問に移ります。
- 序盤:自社サイトの課題をどう見るか(考え方・逆算思考を見る)
- 中盤:CMSや技術の選定理由、実績の中身(技術力を見る)
- 終盤:見積もりの範囲、保守体制、ドメイン・著作権(誠実さ・契約条件を見る)
この順番なら、会話が自然に深まっていきます。
大事な質問を聞き忘れないよう、事前に質問をメモにして持参するのがおすすめです。その場で思い出そうとすると、肝心な質問ほど抜けてしまいがちです。

対面とオンラインで変える聞き方
対面の打ち合わせでは、回答の速さや表情、資料の準備度といった、言葉以外の情報も観察できます。
こちらの質問に対し、その場で考えて誠実に答えているか、用意した営業トークを流しているかは、対面だと伝わりやすいものです。
オンライン面談では、事前に質問を箇条書きで送っておくと、相手も準備でき、回答の質が上がります。
また、オンラインでは問い合わせへの返信の速さや、後日のメール対応の丁寧さも判断材料になります。返信が遅い、要点を外した返信が来る、といった点は、契約後のやり取りの予兆と考えてよいでしょう。
複数のWeb制作会社を同じ質問で比較する評価シートの作り方
制作会社選びで失敗しやすいのは、「最後に会った会社の印象」で何となく決めてしまうパターンです。
これを防ぐには、複数社に同じ質問をして、回答を同じ基準で並べて比べる仕組みを作ります。難しいものではなく、簡単な評価シートで十分です。
評価シートを作る3ステップ
- ステップ1:この記事で挙げた質問から、自社にとって重要なものを5〜8個に絞る
- ステップ2:縦に質問、横に制作会社名を並べた表を作る
- ステップ3:面談後すぐ、各質問への回答を3段階(◎良い/○普通/△不安)で記録する
採点は厳密でなくてかまいません。大事なのは、全社を同じ質問・同じ基準で見ることです。
記憶に頼ると印象に引きずられますが、表にして並べると「A社は技術の説明は良かったが、保守の答えが曖昧だった」といった違いが、はっきり見えてきます。

評価シートの記入イメージ
| 質問項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| サイトの課題を具体的に語れたか | ◎ | ○ | △ |
| 技術・CMSの選定理由を説明できたか | ○ | ◎ | ○ |
| 見積もりの範囲を明確に示したか | ○ | ○ | △ |
| 保守体制を具体的に答えたか | △ | ◎ | ○ |
| デメリットも正直に話したか | ◎ | ○ | △ |
この表があれば、社内で「なぜこの会社を選ぶのか」を説明するときにも役立ちます。
感覚ではなく、質問への回答という根拠で選んだと伝えられれば、上司や経営層の合意も得やすくなります。
複数社を比べても判断に迷う場合や、そもそも自社の目的の整理段階でつまずいている場合は、第三者の視点を入れると整理が進みます。
ノーサイドでも、サイトの目的整理や制作会社選びのご相談を承っていますので、判断材料が足りないと感じたときは、遠慮なくご相談ください。
Web制作会社の選び方でよくある質問
良いWeb制作会社の見分け方とは、初対面の打ち合わせで技術力・誠実さ・契約条件を確かめる質問を投げかけ、回答の質を同じ基準で比較して選ぶプロセスです。
最後に、制作会社選びでよく寄せられる疑問に答えます。
QWeb制作会社選びで、初対面のときに最初に質問すべきことは何ですか?
AWeb制作会社選びで最初に質問したいのは「今の弊社のサイトの課題はどこにあると思いますか」です。この質問で、要望どおりに作るだけの会社か、目的から逆算して構成を提案できる会社かが見えてきます。ただし質問の前提として、自社の目的・予算・運用体制を整理しておくと、より具体的な回答を引き出せます。
Q制作会社の技術力は、専門知識がない発注者でも見抜けますか?
A制作会社の技術力は、コードの良し悪しを判断できなくても見抜けます。見るべきは「自社の課題をどう捉え、技術的にどう解決しようとするか」という思考の筋道です。CMSの選定理由を自社の事情に結びつけて説明できるか、専門用語をかみ砕いて話せるかを質問で確かめれば、専門知識がなくても判断できます。
Qホームページの制作費用と保守費用の相場はどのくらいですか?
Aホームページの制作費用は、5〜10ページ程度の小規模なコーポレートサイトで約30万円〜80万円が一つの目安とされています。保守費用は月額約3,000円〜15,000円が目安です。いずれも要件・規模・サポート内容によって大きく変動する参考値で、金額の安さよりも「その金額に何が含まれるか」を見積もり時に確認することが大切です。
Q相見積もりは何社くらい取るのがよいですか?
A相見積もりは3社程度を目安にすると比較しやすくなります。多すぎると比較しきれず、1社だけでは判断基準が持てません。大切なのは社数よりも、各社に同じ質問を投げかけ、回答を同じ評価シートで並べて比べることです。同じ基準で見れば、印象に流されずに自社へ合う1社を選べます。
Q「必ず検索順位を上げます」と言う制作会社は信用できますか?
A「必ず検索順位を上げます」と断言する制作会社は、慎重に見たほうがよい相手です。検索順位は検索エンジン側の評価で決まるもので、制作会社が保証できるものではありません。誠実な会社は「順位は保証できませんが、こういう改善を続けます」と正直に答えます。成果を断言するかどうかは、信頼性を測る一つの目安になります。
Qフリーランスと制作会社、どちらに依頼するのがよいですか?
Aフリーランスと制作会社のどちらが良いかは、案件の規模と求めるサポート体制で決まります。フリーランスや少人数は費用を抑えやすく柔軟ですが、長期サポートの安定性を質問で確かめる必要があります。中小や大手の制作会社は対応の継続性に強みがあります。規模で優劣を決めず、実際に担当する人の経験と相性で選ぶのが現実的です。
Web制作会社の良し悪しは、提案資料の見栄えや料金表だけでは判断できません。
初対面の打ち合わせで、技術力・誠実さ・契約条件を確かめる質問を投げかけ、その答え方を見れば、会社の実力と姿勢はかなりはっきり見えてきます。
この記事の質問をメモに書き出し、複数社に同じ質問をして、回答を評価シートで並べる。
この流れだけで、「なんとなく」で選ぶリスクは大きく下がります。急がず、納得できる1社を見つけてください。
自社の目的整理や、サイトの作り直しの進め方そのものに不安がある場合は、サイト制作・運用の支援内容もあわせて参考にしてください。

